デンマーク、米渡航のトランスジェンダーに大使館への連絡を勧告

3月20日、デンマーク外務省は出生時の性と自認する性が一致しないトランスジェンダーの国民に対し、米国に渡航する際には事前に駐デンマーク米国大使館に連絡を取るように求める勧告を出し始めた。トランプ米大統領がトランスジェンダーや多様性を認めない政策を打ち出しており、渡航書類の処理などで問題が生じる恐れがあるのが理由。写真は米ワシントン州で行われたデモ。2月撮影(2025年 ロイター/David Ryder)
[コペンハーゲン 21日 ロイター] - デンマーク外務省は20日、出生時の性と自認する性が一致しないトランスジェンダーの国民に対し、米国に渡航する際には事前に駐デンマーク米国大使館に連絡を取るように求める勧告を出し始めた。トランプ米大統領がトランスジェンダーや多様性を認めない政策を打ち出しており、渡航書類の処理などで問題が生じる恐れがあるのが理由。
トランプ氏は今年1月の大統領復帰初日に、性別は男性と女性の2つだけと定めると宣言。旅券(パスポート)や査証(ビザ)などの公式書類には出生時の性だけ表記するよう義務づける大統領令に署名した。
デンマーク外務省が今月21日に更新した渡航勧告のサイトは、トランプ氏の大統領令には触れずに、米国の電子渡航認証システム(ESTA)は2つの性からのみ項目を選択するようになっている。パスポートの記載が男性でも女性でもない項目「X」だったり、ジェンダーを変更している場合には米国大使館に連絡して手続きについて問い合わせるように求めた。
駐デンマーク米国大使館の報道官は21日、パスポートの記載がXの申請者は、出生時の生物学的性別を反映したビザを受け取ることになると述べた。
フィンランドは14日に渡航者向けのサイトを更新し、パスポートに記載された性が出生時と違う場合には米当局から入国を拒否される恐れあるとして注意を促した。