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アルメニアとアゼルバイジャン、和平条約で合意 40年の紛争終結へ

2025年03月14日(金)10時39分

FILE PHOTO: A general view shows the headquarters of Armenia's Foreign Ministry in Yerevan, Armenia, September 20, 2023. REUTERS/Irakli Gedenidze/File Photo

Felix Light Nailia Bagirova

[トリビシ/バクー 13日 ロイター] - 旧ソ連構成国のアゼルバイジャンと隣国アルメニアは13日、約40年にわたる紛争を終結させるための和平条約文書で合意したと発表した。

両国の紛争はアゼルバイジャンにあるナゴルノカラバフという地域の1980年代後半の分離独立がきっかけになった。アルメニアはこの独立を支援した。

アルメニア外務省は声明で、アゼルバイジャンとの和平条約案がアルメニア側でまとまったと発表。「和平条約に調印する準備ができている。アルメニア共和国は、調印の日時と場所についてアゼルバイジャン共和国との協議を開始する用意がある」と述べた。

アゼルバイジャン外務省は「和平と両国関係の確立に関する条約の草案で交渉が妥結したことに満足している」とした。

ただ、アゼルバイジャンは、アルメニアの憲法改定が署名の条件としており、具体的な調印時期は見通せない。アゼルバイジャンは、アルメニアの領土に対する暗黙の主張が同国憲法に含まれているとして改正を求めている。

アルメニアはそうした主張を否定しているが、パシニャン首相はここ数カ月、建国に関する文書を置き換える必要があると述べており、そのための国民投票を呼びかけている。日程はまだ決まっていない。

80年代後半に発生した紛争により、アルメニアからは主にイスラム教徒のアゼルバイジャン人が、アゼルバイジャンからはキリスト教徒が大半のアルメニア人が、それぞれ数十万人追放された。

アゼルバイジャンが23年9月にナゴルノカラバフを軍事行動で奪還し、領土内のアルメニア人10万人のほぼ全員がアルメニアに逃れた後、両国の和平交渉は開始した。

ロイター
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