ニュース速報
ワールド

米国民の過半数、トランプ氏のロシア寄り姿勢に懸念=ロイター/イプソス調査

2025年03月14日(金)10時29分

 ロイター/イプソスが米国でオンラインを通じて実施した世論調査で、トランプ米大統領(写真左)がロシアと「密接に連携し過ぎている」との回答が過半数に当たる約56%達した。写真は、プーチン大統領(右)と会談するトランプ大統領。2018年7月、フィンランドのヘルシンキにて撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

Jason Lange

[ワシントン 13日 ロイター] - ロイター/イプソスが米国でオンラインを通じて実施した世論調査で、トランプ米大統領がロシアと「密接に連携し過ぎている」との回答が過半数に当たる約56%達した。民主党支持者では89%に上り、共和党支持者でも27%に達した。

調査は米国の成人を対象に今月11、12両日に実施され、1422人が回答した。誤差は3%ポイント。

トランプ氏がロシアと近過ぎるとは思わないとの回答は40%で、4%は無回答だった。トランプ氏は今年1月に返り咲いて以来、バイデン前政権時代の外交政策を覆してきた。ウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談では、ウクライナに侵攻したロシアとの和平に取り組もうとしていないとテレビカメラの前で面罵した。トランプ政権はウクライナとロシアの停戦を提案したものの、ロシア側の反応は冷淡だ。

トランプ氏が「米国はウクライナの鉱物資源の分け前を得ることを軍事支援の条件とする」としたことを支持するとの回答は約44%だった。共和党支持者では3分の2に達した一方、民主党支持者では約20%にとどまった。

トランプ氏のこの数週間の支持率は44%で推移している。

<領土拡大には関心薄く>

元不動産会社経営者のトランプ氏はグリーンランドの取得や、カナダを51番目の州に編入することに意欲を示し、パナマ運河の支配権奪還を議論し、パレスチナ自治区ガザに住む約210万人のパレスチナ人を追い出して米国が管理し、再開発する案をぶち上げてきた。しかし、トランプ氏が優先すべき課題は何かという質問に対して米国の領土拡大を挙げたのはわずか1%で、回答者のほとんどが関心を持っていないことを浮き彫りにした。

インフレとの戦いを挙げた回答者は61%、連邦政府の規模縮小に焦点を当てるべきだとの回答は13%だった。

カナダを51番目の州にするとしたトランプ氏の目標を支持したのはわずか17%で、共和党支持者でも26%にとどまった。ガザを米国が管理する案を支持するとの回答は21%で、共和党支持者でも34%だった。

多くの専門家はトランプ氏の案について実行不可能だとみなしており、人権団体は民族浄化に相当する行為だと非難している。

支持政党別での意見の隔たりも見られ、「米国は経済を守るためにパナマ運河を掌握すべきだ」というトランプ氏の考えに賛同すると答えた共和党支持者は65%に上った一方、民主党支持者は89%が反対した。

「米軍がグリーンランドの警備を改善できるように、米国がグリーンランドを支配するべきだ」という意見には共和党支持者の45%が同意したのに対し、民主党支持者の88%は同意しないと答えた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独2月CPI改定値、前年比+2.6%へ減速 ECB

ビジネス

伊ウニクレディトの独コメルツ銀株取得、ECBが予想

ビジネス

中国新規銀行融資、2月は予想以上に減少

ビジネス

連合の春闘賃上げ率、前年超え5.46% 会長「新ス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 5
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中