FRB政策運営、トランプ政策巡る不確実性に制約されるべきでない=ウォラー理事

2月17日、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は、金融政策の決定時に考慮することになるトランプ米政権の新たな関税が物価に与える影響について、軽度にとどまるというのが自身の「基本的な」見解だと述べた。ニューヨークで2024年11月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Howard Schneider
[ワシントン 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は、金融政策の決定時に考慮することになるトランプ米政権の新たな関税が物価に与える影響について、軽度にとどまるというのが自身の「基本的な」見解だと述べた。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学で行う講演の原稿で示した。
トランプ大統領が1期目にFRB理事に指名したウォラー氏は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻、23年の米地銀破綻がFRBの金利変更を阻害しなかったように、貿易、その他トランプ政権の政策がもたらす影響に関する不確実性がFRBの行動を遅らせるべきではないと述べた。
「関税の発動は物価を小幅に上昇させるにとどまり持続性はないというのが私の基本的な見解だ。金融政策の策定時には、そうした影響を考慮したい」と述べた。「関税の影響は自分の想定より大きい可能性があることは認める。しかし、検討中の他の政策が供給にプラスの影響を与え、インフレに下押し圧力をかける可能性もあることを忘れてはならない」と指摘した。
「結局、政策行動の指針となるのはデータであり、何が起こるかについての憶測ではない。経済の不確実性が払拭されるのを待っていては政策の麻痺を招く」と述べた。
米消費者物価指数(CPI)は2月発表の1月分まで4カ月連続で伸びが加速した。
ウォラー氏は、インフレ率が再び低下するまで政策金利を据え置くことに賛同するとしたものの、最近のCPIの「期待外れの」上昇は、物価上昇圧力の高まりではなく、季節的なデータ調整の問題を反映している可能性があると指摘した。
「(現状)データは政策金利の引き下げを支持していない」とした上で「しかし25年が24年のような展開になれば、今年中に金利引き下げが適切となる」と述べた。