米軍機による移民送還、1人当たりはファーストクラスより高額
トランプ米政権は先週、米軍の軍用機を使った不法移民の国外送還を開始したが、27日に実施したグアテマラへの送還では移民1人あたりの移送コストが少なくとも4675ドルに上り、アメリカン航空のファーストクラス片道料金853ドルを大幅に上回ることが、米国とグアテマラ当局のデータで分かった。写真は拘束した移民を米軍機に誘導する様子。テキサス州フォートブリスで23日撮影。国防総省提供(2025年 ロイター)
[ワシントン 30日 ロイター] - トランプ米政権は先週、米軍の軍用機を使った不法移民の国外送還を開始したが、27日に実施したグアテマラへの送還では移民1人あたりの移送コストが少なくとも4675ドルに上り、アメリカン航空のファーストクラス片道料金853ドルを大幅に上回ることが、米国とグアテマラ当局のデータで分かった。
中南米諸国向けの移民送還には米軍の輸送機C17が使われ、これまでに4機がグアテマラに到着した。米当局者が匿名を条件に明かしたところによると、C17は1時間当たりの運用コストが推定2万8500ドルで、グアテマラとの往復時間は地上作業分などを除き約10時間半。グアテマラの当局者によると27日に到着した輸送機には64人が乗っていたため、1人当たりのコストは4675ドルとなる計算だ。
これに対して米移民・税関捜査局(ICE)が民間機をチャーターして送還すると1人当たりの移送コストは軍用機よりもかなり小さくなる。
ICEが航空機をチャーターした場合のコストにはばらつきがあるが、2023年4月に当時のジョンソン局長は公聴会で、移送にかかる飛行時間は通常5時間で、135人を移送する場合の1時間当たりのコストは1万7000ドルと証言した。復路の飛行コストをICEではなくチャーター会社が負担すると仮定すると1人当たりのコストは630ドルとなる。ICEの元職員によると移送コストは2023年から若干上昇している。
米国防総省は先週、テキサス州エルパソとカリフォルニア州サンディエゴで当局が身柄を拘束した移民5000人余りを軍用機で送還すると発表。トランプ氏は27日、軍用機による送還を続けると述べた。
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