インド、国内繊維産業支援へ バングラデシュ情勢受け輸出増に対応
インドは国内の繊維産業支援に向け、来月発表する予算案で業界向け金融支援や国内生産を後押しするインセンティブなどを打ち出す。政府関係者2人が明らかにした。写真は2022年12月、アーメダバードで撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)
Manoj Kumar
[ニューデリー 14日 ロイター] - インドは国内の繊維産業支援に向け、来月発表する予算案で業界向け金融支援や国内生産を後押しするインセンティブなどを打ち出す。政府関係者2人が明らかにした。
輸出業者によると、隣国バングラデシュで政治的混乱が続いていることから各国の小売業者は衣料品の輸入でインドを含めた代替手段を模索している。
北米や欧州の小売業者を顧客に持つダッカを拠点とする工場オーナーのシャヒドゥラ・アジム氏はロイターに対し、バングラデシュで続く政情不安で一部の米国バイヤーが注文をインドやベトナムに移していると語った。
インドアパレル輸出促進協議会のミティレシュワル・タクール局長は「多くの米企業が代替供給元を探しているため、インドの輸出業者はここ数カ月、注文の急増に対応するのが難しくなっている」と述べた。
インドの繊維産業は推定4500万人を雇用している。政府は繊維省の2025/26年度予算を現在の441億7000万ルピー(5億1100万ドル)から10─15%程度増額することを検討している。政府筋が明らかにした。
さらに、今年度の繊維部門に対する生産連動型インセンティブの割り当てを4億5000万ルピーから約6億ルピーに引き上げる可能性があるという。この制度下で政府は地元での製造を選択した企業に税制優遇措置やその他のベネフィットを提供している。
政府関係者の1人は、ポリエステルやビスコース短繊維などの原材料や繊維機械を対象に関税引き下げも検討中だと述べた。繊維の輸入関税は現在11─27%だが、バングラデシュでは関税がほぼゼロであり、インドの衣料品輸出業者に影響を与えている。
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