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英の譲歩で離脱交渉進展、将来巡る協議開始には不十分=EU交渉官
9月28日、英国の欧州連合離脱を巡り今週行われた第4回交渉会合について、EUのバルニエ首席交渉官(写真)は、進展が見られたものの、離脱後の移行期間や将来の貿易協定などに関する協議に入るには不十分との見方を示した。(2017年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 28日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡り今週行われた第4回交渉会合について、EUのバルニエ首席交渉官は28日、進展が見られたものの、離脱後の移行期間や将来の貿易協定などに関する協議に入るには不十分との見方を示した。
第4回交渉会合はブリュッセルで28日まで4日間行われた。
バルニエ氏は会見で「建設的な1週間だったが、十分な進展を遂げるという意味ではまだ足りない。今後数週間、数カ月間にさらなる取り組みが必要だ」と述べた。
また、メイ英首相が先週22日のブレグジット方針に関する演説で譲歩の姿勢を示したことについて、交渉に「新たな原動力」をもたらしたと評価した。
メイ首相は22日、フィレンツェで演説し、EU離脱後2年間の移行期間を設け、EU単一市場へのアクセスを維持することを提案。移行期間中は、EUに対し拠出金を支払うほか、英国におけるEU市民の権利を保障する方針も表明し、譲歩する姿勢を明示した。
メイ氏はこの演説により、停滞する離脱交渉が進展し、離脱後の自由貿易協定に関する協議開始に道が開けることを期待していたが、今週の交渉会合の成果はバルニエ氏を納得させるには至らなかった。
ただ、会合に出席した当局者らは、メイ氏が譲歩の姿勢を見せたことで、会合の雰囲気は以前より良くなったとしている。
英国のデービスEU離脱担当相は、交渉は「かなり進展した」と述べた上で、離脱後の関係や2年間の移行期間に関する協議に移りたいとの考えをあらためて示した。
当局者によると、今回の交渉では移行期間については取り上げられなかった。
ブレグジット交渉では、約300万人の在英EU市民の権利を離脱後も欧州司法裁判所の管轄とするかどうか、離脱に伴い英国がEUに支払う清算金の額、の2点が引き続き主要な課題として残る。
次回の第5回交渉会合は10月9日から始まり、その翌週の19─20日にEU首脳会議が予定されている。
バルニエ氏は、この首脳会議の場で他のEU加盟27カ国の首脳とブレグジット交渉の成果を検討したいと述べたが、貿易交渉の開始を勧告する可能性は示唆しなかった。
EUの外交官は、バルニエ氏が10月までに現在のブレグジット交渉の進展状況に納得するとは考えていない。12月の首脳会議の場が貿易交渉を始める場となる可能性が高いというのが大方の見方だ。