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英国、EU離脱協議開始 担当相「建設的かつ前向きに」交渉
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6月19日、英国と欧州連合(EU)の交渉団が、同国の離脱を巡る協議を開始した。写真は英国のデービス欧州連合(EU)離脱担当相。(2017年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 19日 ロイター] - 英国と欧州連合(EU)の交渉団が19日、同国の離脱を巡る協議を開始した。双方は過程における不明点を早急に解決することが必要だとし、建設的な態度が双方にとって良い結果につながることを強調した。
EU側の交渉担当者を務めるミシェル・バルニエ氏(フランス元外相)は会見に臨み、英国の国民投票から約1年を経て始まった離脱協議で交渉スケジュールを確立したいと主張。「まずは、英国のEU離脱(ブレグジット)に端を発する不透明感を解決しなくてはならない。これは住民だけでなく、EU政策により恩恵を受ける人や、アイルランドなどの国境への影響のためだ」と述べた。
同氏はさらに「本日、優先順位とタイムテーブルを決定し、交渉を建設的に開始することを今週後半に欧州委員会へ報告できるよう望んでいる」と話した。
また「時間は限られている」としながらも、秩序だった離脱がEUと英国双方にとり重要で、双方にとり公平な合意は可能との見方を示した。
英国のデービスEU離脱担当相は、同国政府はEUとの深く特別な関係を求めていると主張。「われわれを分断するものより結びつけるものの方が多い。交渉では疑いようもなく、難しい時間が予想されるが、すべての住民に最善をもたらす取り決めができるよう力を尽くす」と述べた。そして「そのために、交渉は前向きで建設的な基調で始める」とした。
声明によると、10月までの交渉は市民権、金融決済および他の離脱に関する事項に集中して実施。アイルランド問題を巡る交渉は別途行う。
今後の協議については、7月17日、8月28日、9月18日、10月9日に始まる週に実施するすることで合意した。
バルニエ氏は来年10月までに合意できるとの見方を表明。ただ合意が得られなかったとしても英国は2019年3月30日にEUから離脱する。
一方、EU当局者は、英国が離脱時の債務残高についてEUと金銭的解決を行うことに合意しなかったと初日の交渉後に明かした。
当局者は「英国は離脱に伴う費用の法的根拠に疑問を持っている」と述べた。
当局者によると、EUは、英国が加盟国である間に発生する将来のEU予算拠出分の一部として、英国に対し100億ユーロを請求する可能性があるという。
支払いに関する相違を狭めることは、今後の交渉において大きな試練になるとの見方を示した。英国とEUは19日、この件について交渉担当者によるワーキング・グループを設立することで合意した。
*内容を追加します。