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駐韓米大使が襲われ負傷、容疑者の男「戦争訓練反対」と叫ぶ
3月5日、リッパート駐韓米国大使(写真中央)が、ソウル中心部で会合に出席した際、何者かに顔を切り付けられた。写真はけがを負い車に乗り込む大使(2015年 ロイター/Yonhap )
[ソウル/ワシントン 5日 ロイター] - リッパート駐韓米国大使(42)が5日朝、ソウル中心部で開かれたイベントに出席した際、男に顔を切り付けられ負傷した。警察や目撃者が明らかにした。
大使の命に別状はなく、容体は安定している。
目撃者や報道によると、大使の顔からは血が流れていたが、自力で歩くことはでき、その後病院に運ばれたという。警察の調べでは、使われた凶器は果物ナイフ。
オバマ米大統領は事件を受け、大使に見舞いの電話を掛けた。また、米国務省のハーフ報道官は「今回の暴力行為を強く非難する」とのコメントを出した。
警察は、男の身元についてキム・ギジョン容疑者(55)と発表。事件発生当時、男は韓国の伝統衣装を着て、韓国と北朝鮮は統一すべきだと叫んだ。また、戦争訓練反対とも叫んでおり、これは今週始まった米韓合同軍事演習を意味しているとみられる。
目撃者の1人は「大使は座席にいながら抵抗した。血痕が残っており、顔の右側に7インチ(約18センチ)の切り傷があった」と証言。取り押さえられた男の様子については、「反米、反帝国主義的のように聞こえる」言葉を叫んでいたと話した。
警察当局によると、男はイベントを主催した南北統一支持団体のメンバー。過去に男は、竹島(韓国名・独島)をめぐって反日抗議も行ったという。
また2010年には、当時の駐韓日本大使にコンクリート片を投げつける事件を起こし、執行猶予付き有罪判決を受けたこともある。
韓国の朴槿恵大統領は、襲撃事件は「米韓の同盟関係に対する攻撃」だと批判した。