ニュース速報
ビジネス

JPモルガン、1─3月期は増益 ダイモンCEO「経済は混乱に直面」

2025年04月12日(土)04時40分

米金融大手JPモルガン・チェースが11日発表した2025年第1・四半期(3月31日まで)の利益は市場予想を上回った。株式取引の記録的な増加と手数料増加が寄与した。(2025年 ロイター/Mike Segar)

Niket Nishant Nupur Anand

[11日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースが11日発表した2025年第1・四半期(3月31日まで)の利益は市場予想を上回った。株式取引の記録的な増加と手数料増加が寄与した。

第1・四半期の利益は146億ドル(1株当たり5.07ドル)と、前年同期の134億ドル(同4.44ドル)から増加した。

一時的費用を除く1株当たり利益は4.91ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想の4.61ドルを上回った。

第1・四半期はボラティリティーの高まりに伴い投資家がポートフォリオを迅速に調整したため、トレーディング業務が活発化。トレーディング収益は21%増の97億ドルと、当初予想していた2桁台前半の増加率を上回った。株式トレーディングは48%増加し、過去最高の38億ドルを記録した。

投資銀行手数料は12%増の22億ドルとなった。

貸し出しの利息収入と預金者に支払う利息の差である純金利収入(NII)は1%増の234億ドル。

通期のNII見通しは945億ドルを想定。従来予想は940億ドルだった。

ジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は、今のところ低所得者層を含む顧客の間に苦境の兆候は見られず、クレジットカード事業に鈍化傾向は見られないとしながらも、消費者は物価上昇を懸念して支出を前倒ししている傾向があると述べた。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、トランプ米大統領の関税措置の影響への対応を企業が進める中、経済に関しては慎重な姿勢を維持しており、「地政学や貿易関連の緊張に起因する市場のボラティリティーの高まりにより、顧客はより慎重になっている」と指摘。「経済は大きな混乱に直面している」と述べた。

さらに、市場に混乱や波乱が生じた場合、米連邦準備理事会(FRB)が介入する場合はあるが、現段階ではその可能性は低いとの見方を示した。「FRBは、市場がパニック傾向になった時点で介入するだろう。ただ、それがいつ、どのような形で起こるかはわからない」とした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

IMF、経済成長予測を大幅に下方修正へ 世界的な景

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

トランプ氏、FRBに利下げ要求 パウエル議長解任「

ビジネス

金融政策変更の差し迫った必要なし、関税の影響見据え
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 8
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 9
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中