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米ミシガン大消費者信頼感、4月速報値悪化 1年先期待インフレ81年以来の高水準

2025年04月12日(土)03時08分

米ミシガン大学が11日発表した4月の消費者信頼感指数(速報値)は50.8と、3月確報値の57.0から低下し、市場予想の54.5を下回った。貿易摩擦激化への不安が背景。1年先の期待インフレ率は6.7%と、前月の5.0%から急上昇し、1981年以来の高水準に達した。(2025年 ロイター/Rachel Wisniewski)

[ワシントン 11日 ロイター] - 米ミシガン大学が11日発表した4月の消費者信頼感指数(速報値)は50.8と、3月確報値の57.0から低下し、市場予想の54.5を下回った。貿易摩擦激化への不安を背景に、2022年6月以来の水準に低下した。

1年先の期待インフレ率は6.7%と、前月の5.0%から急上昇し、1981年以来の高水準に達した。4カ月連続で毎月0.5%ポイント以上上昇した。

消費者調査ディレクターのジョアン・スー氏は、4月速報値の低下が「年齢、所得、教育、地域、政治的立場を問わず、広範囲かつ一様だった」と指摘。ビジネス環境、家計、所得、インフレ、労働市場に対する期待が全て引き続き悪化したとし、「景気後退リスクを高める複数の警告サインが報告された」と述べた。

5年先期待インフレ率は4.4%と、1991年6月以来の水準に上昇。前月は4.1%だった。

調査は4月8日までに実施された。トランプ大統領は2日に大規模関税措置を発表。その後、米国が中国への関税率を145%としたことに対抗し、中国が対米関税率を125%に引き上げるなど、米中貿易戦争のリスクが高まっている。

消費者信頼感指数の低下は民主党支持者と無党派層で顕著だった。ただ、トランプ氏が属する共和党の支持者の間でも低下した。

向こう1年間で失業率が上昇すると予想する消費者の割合は5カ月連続で増加し、金融危機と景気後退に見舞われた09年以来の水準に達した。

消費者調査ディレクターのスー氏は「労働市場への信頼感の欠如は、堅調な労働市場と所得に消費活動が支えられていたこれまでの数年間と対照的だ」と述べた。

こうした中、一部エコノミストは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ再開が後ずれすると予想。オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ライアン・スイート氏は「FRBは長期期待インフレ率の上昇に注目する可能性がある」と指摘。「インフレ期待を安定させることはFRBにとって重要だ。このため、FRBは12月まで利下げに動かないと予想している」と述べた。

ロイター
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