ENEOS子会社JX金属のIPO、今週にも上場承認 4000億円売出し=関係者
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2月12日、ENEOSホールディングス完全子会社のJX金属(東京・港区)が今週にも東京証券取引所から上場承認を受けることが分かった。写真は都内で2020年8月撮影(2025 ロイター/Issei Kato)
Miho Uranaka Sam Nussey
[東京 12日 ロイター] - ENEOSホールディングス完全子会社のJX金属(東京・港区)が今週にも東京証券取引所から上場承認を受けることが分かった。ENEOSは保有する株式の50%を売却する。上場時の売り出し規模は少なくとも4000億円に上り、今年度最大となる見通し。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、売り出し規模は、昨年の東京地下鉄(東京メトロ)の3486億円を上回り、2018年の通信会社ソフトバンクの上場以来となる。関係者らによると、IPOに際して公募増資は実施せず、時価総額も少なくとも8000億円を想定、3月中旬に上場する予定という。
ENEOSはロイターの取材に対し「当社としては、これまで公表してきた内容以外のコメントはない」と答えた。東証は「個別銘柄についてはコメントしない」としている。
JX金属は、半導体製造時に金属薄膜を形成するための材料である「スパッタリングターゲット」の大手メーカーで、同社の半導体材料部門は昨年度の営業利益の約3分の1に貢献した。半導体・情報通信材料を成長戦略分野に位置づけ、米アリゾナ州で新工場に投資している。
ENEOSは昨年10月、JX金属が東証へ上場申請したと公表した。事業ポートフォリオの最適化と、成長分野への資源集中を目的とした戦略の一環で、株式売却益を活用して投資や株主還元を機敏かつ確実に実行することが可能になるという。JX金属にとっては、IPOを通じて専門性を生かした迅速な意思決定などができるようになると説明している。