ニュース速報
ビジネス

中国の不動産市場支援策、小規模都市の銀行にリスクも=S&P

2024年05月28日(火)08時52分

 5月27日、S&Pグローバルはリポートで、中国が今月打ち出した不動産市場支援策について、小規模都市の銀行にリスクをもたらす可能性があると指摘した。河北省石家荘市で2月1日撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 27日 ロイター] - S&Pグローバルは27日付のリポートで、中国が今月打ち出した不動産市場支援策について、小規模都市の銀行にリスクをもたらす可能性があると指摘した。

中国は頭金の要件緩和や住宅ローン金利の下限撤廃などを発表したが、S&Pグローバルによると、これらの措置で一時的な不動産需要増が見込まれるものの、レバレッジ拡大により住宅ローンのデフォルト(債務不履行)も増加する可能性があるという。

リポートは、小規模な3級都市の不動産価格が2024─25年に約14%下落する見通しだとし、これにより、一部の住宅購入者はローン残高が不動産価値を上回る状況に陥る恐れがあると指摘。

その結果、不動産を手放し、デフォルトする購入者も出てくる可能性があるとした。

S&Pグローバルのクレジットアナリスト、ライアン・ツァン氏は「住宅ローン金利の下限撤廃により、デフォルトが発生した場合に銀行が損失を吸収するバッファーが縮小することになる」と指摘。

銀行は損失を軽減するために債務不履行者の他の資産を差し押さえる際の追加コスト負担を余儀なくされるとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:AI洪水予測で災害前に補助金支給、ナイジ

ワールド

アングル:中国にのしかかる「肥満問題」、経済低迷で

ワールド

ロシア国営TV、米有権者をトランプ氏に誘導か=米情

ワールド

アングル:ハリス対トランプ」TV討論会、互いに現状
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 3
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...「アフリカの女性たちを小道具として利用」「無神経」
  • 4
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 10
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 5
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 8
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 9
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中