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オープン外債投資を継続、ドル以外にも=富国生命運用計画

2017年10月12日(木)21時07分

 10月12日、富国生命保険の2017年度下期の一般勘定の運用方針では、オープン外債への投資を継続する。円債金利は依然低く、ヘッジ付き米国債はドルのヘッジコストが高く運用は厳しい。写真はドル紙幣とユーロ紙幣、2016年10月撮影(2017年 ロイター/Leonhard Foeger)

[東京 12日 ロイター] - 富国生命保険の2017年度下期の一般勘定の運用方針では、オープン外債への投資を継続する。円債金利は依然低く、ヘッジ付き米国債はドルのヘッジコストが高く運用は厳しい。

ドル以外にも通貨分散を図り収益性の高い資産に投資する計画だ。外国社債の運用委託などにより運用高度化も一段と進める。国内株は入れ替え中心で横ばいの見込み。

渡部毅彦・財務企画部長が12日、ロイターとのインタビューで述べた。

<オープンシフト進む>

5月時点の期初計画では、外貨建て公社債を600億円積み増す計画だったが、上期時点ですでに達成してしまった。下期はさらに200億円増加させ、年度では800億円増となる計画だ。その中心は上期に続きオープン外債となる。

外貨建て公社債の上期の増加分600億円の内訳は、ヘッジ付き外債が700億円減少した一方で、オープン外債は1300億円の増加。ヘッジ比率は3月時点の67%から60%に低下し、オープンへとシフトが一段と進んだ。

ドルのヘッジコスト(3カ月物)は、足元で1.8─1.9%と高止まり。10年物米国債の利回りは、12月の利上げ観測が強まるなかでも2.3%程度に過ぎない。これまで円金利資産の代替としていたヘッジ付米国債は、十分な利回りが確保できない状況だ。

このため上期にオーストラリア債に450億円、カナダ債に280億円投資するなどドル以外の通貨への分散も進めている。「ほぼオープン投資だ。為替の動きが比較的安定しており、利回りも高かった。相場次第だが、下期もオープンが中心で、流動性の高い資産に通貨分散を進める」(渡部氏)という。

<運用高度化も進める>

富国生命では、クレジットを中心とした収益性の高いアセットクラスを今後5年間で5000億円程度積み増す中期目標を建てている。高収益のオープン外債の残高が2020年以降に減少していく予定で、マイナス金利の影響が大きくなる恐れがあるためだ。

今年9月、米国の投資顧問会社「ペイデン&リゲル」と資産運用面で提携。海外クレジット投資の一部を運用委託した。運用が多様化、高度化するなかで、アウトソーシングの選択肢も検討していく方針だ。

ESG(環境、社会的責任、企業統治)投資も進めている。アフリカ開発銀行が発行したアフリカ工業化支援を目的とした債券「インダストリアライズ・アフリカ・ボンド」に今年9月、約40億円投資した。

「今上期の高収益資産への積み増しは500億円となり、順調に進んでいる。標準利率は4月から0.25%に下がったが、新規分だけであり、資産全体に与える影響はまだ限定的だ。高収益資産へのシフトを引き続き積極的に進めていく必要がある」と渡部氏は話す。

<低金利の円債は減少継続>

円債は年度で300億円の減少計画。期初の400億円の減少計画より、やや少なくなっているが、今年9月に発行した円建て劣後債300億円が含まれている。現在の低金利環境では積極的な投資は難しいという。

国内株は年度で横ばいの計画は変わらず。上期は100億円増加したが、下期は100億円減少予定。日経平均株価<.N225>は高値を更新しているが、積極的な投資は行わず、配当利回りの高い銘柄などへの入れ替えを中心に進める。「現在の水準から株価がさらに大きく上昇するとは期待しにくい」(渡部氏)という。

海外株は400億円増の計画と期初より100億円増加したが、前出の「ペイデン&リゲル」が運用する外国社債を投資対象とする投資信託に約100億円を拠出する分が入っている。

(伊賀大記 富沢綾衣 編集:田巻一彦)

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