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EU離脱、法人向け融資や決済にリスク=英中銀金融行政委
10月3日、イングランド銀行(英中央銀行)の金融行政委員会(FPC)は、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、国内企業によるEUの銀行からの借り入れに支障が出る恐れがあるとの認識を示した。2月撮影(2017年 ロイター/Neil Hall)
[ロンドン 3日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)の金融行政委員会(FPC)は3日、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、国内企業によるEUの銀行からの借り入れに支障が出る恐れがあるとの認識を示した。
一部の決済業務についても、混乱の恐れがあるとの見方を示した。
今月20日のFPCの議事要旨で明らかになった。
議事要旨によると、英国企業向けの融資の約10%は、EU加盟国・周辺諸国の銀行が実行。
現在、こうした銀行は英国の支店として営業できるが、英EU離脱後は、完全な子会社への格上げが必要となり、手続きに数カ月かかる恐れがあるという。
議事要旨は「英国の法人向け銀行サービスが混乱するリスクは、従来の想定をやや上回るようだ。英国に支店を持つ多くのEEA(欧州経済領域)の銀行は、この問題への対応が不十分だ」としている。
英中銀の健全性監督機構(PRA)は、EUの銀行に対して「コンティンジェンシー・プラン(不測の事態を想定した緊急対応策)の改善を促している」という。
また、FPCは、企業がリスクヘッジなどで利用するデリバティブなど、国境を超えた金融分野の決済業務が混乱する「相当なリスク」があるとも指摘。
EUは、ユーロ建て取引の決済業務を一部、ロンドンからEU域内に移すことを提案しているが、英国はEUの提案に反対している。
FPCは、決済機関が「EUの顧客へのサービスを継続するため、英国の決済業務の一部を移転する」緊急対応策を検討しているが、「移転が非常に複雑で、大きなコストがかかる分野」では、そうした緊急対応策を導入できないとの見方を示した。