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英財務相、EU離脱交渉中に波乱から経済守る決意表明
10月3日、ハモンド英財務相(写真)は、英国のEU離脱決定を受けた経済の混乱を収束させる新たな財政計画が必要との見方を示した。バーミンガムで2日撮影(2016年 ロイター/Toby Melville)
[バーミンガム 3日 ロイター] - 英国のハモンド財務相は3日、メイ首相が前日に欧州連合(EU)離脱に向けた交渉を来年3月末までに始める考えを示したことを受け、交渉中に英経済をいかなる波乱からも守る決意を表明した。
同財務相はバーミンガムで開かれている保守党大会で「交渉が行なわれている期間を通して、英経済をいかなる波乱からも守るために必要な措置を取る用意がある」と表明。「交渉完了時には英企業がEU域外での環境に対応できるよう支援を行なう」とし、離脱前に企業が調達したEU資金などを政府が保証する考えを示した。
また、政府は離脱後もEU市場へのアクセスを最大限確保できるようにするとも表明した。
英国の財政については、オズボーン前財務相は2020年の財政均衡化を目指していたが、ハモンド氏はこの計画の延期をあらためて表明。「EU離脱決定により財政面でも不透明感が一段と高まっている」とし、11月23日に包括的な財政計画を発表することを明らかにした。
英国の財政赤字の対国内総生産(GDP)は2015/16年度は4%。ハモンド財務相は財政均衡化計画はEU離脱に起因する先行き不透明感に対応するため、インフラ投資や生産性向上などを考慮したものになるとした。
メイ首相の前日の表明を受け、EU離脱の影響が大きくなるのではないかとの懸念から英ポンドが急落。この日の取引で対ドル
メイ首相の発言についてロイヤル・バンク・オブ・カナダはリサーチノートで、英国が単一市場への優先的なアクセスも失う可能性があることを示唆するものだったとし、「英国のEU離脱(ブレグジット)は『Smexit(Single-Market-exit、単一市場からの離脱)』をも意味する可能性がある」としている。