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米3月の輸入物価は0.2%上昇、9カ月ぶりプラスに転じる
4月12日、3月の米輸入物価指数は昨年6月以来のプラスとなった。石油製品が値上がりし、物価全体を押し上げた。写真はロサンゼルスの給油所、2月4日撮影。(2016年 ロイター/Mario Anzuoni )
[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した3月の輸入物価指数は前月比0.2%上昇と、昨年6月以来、初めてプラスに転じた。伸び率は昨年5月以来10カ月ぶりの大きさだった。石油製品が値上がりし、物価全体を押し上げた。ただドル高による押し下げ効果は残っており、物価上昇は緩やかなペースになる見込みだ。市場予想の1.0%上昇は下回った。
2月の数字は当初発表の0.3%下落から0.4%下落に下方修正された。
前年同月比では6.2%下落した。輸入物価の弱含みは、インフレ率が米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を下回り続けている一因となっている。
統計発表後、金融市場の動きは限定的だった。
雇用市場が引き締まっているにもかかわらず、FRBが緩やかに利上げを進める方針を固めているのは、物価上昇が緩慢なことが主な理由だ。
FRBは昨年12月、9年半ぶりに利上げに踏み切った。連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーの見通しによると、今年の利上げは2回だけと想定されている。
消費者と卸売業者の双方の段階で、物価は原油安とドル高が重しとなっている。ドルは2014年6月から昨年12月までの間に米国の主要な貿易相手国の通貨に対して約20%値上がりした。
ただ、原油価格には安定化の兆しがみえる。3月の輸入物価は石油・石油製品が6.5%上昇し、昨年6月以来のプラスとなった。2月は6.2%下落していた。
石油を除く輸入物価は0.2%の下落だった。2月は0.1%下落していた。この数字は14年3月以来上昇していない。ドル高の影響が大きいことを示唆している。
ただ、ドルは今年に入り貿易加重ベースで2.6%値下がりしている。
輸入食品は0.6%下落した。石油を除く産業用資材は横ばいだった。資本財は0.1%下落した。一方で自動車は0.1%上昇した。自動車を除く消費財は0.3%下落した。
同時に発表された3月の輸出物価は横ばいだった。2月は0.5%下落していた。3月の前年同月比は6.1%下がった。
産業用資材の輸出価格は0.7%上昇した。一方で輸出食品は2.5%の下落だった。