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インタビュー:ECBの政策、独では多大な問題に=ショイブレ財務相

2016年04月13日(水)00時37分

 4月12日、ショイブレ独財務相はECBの低金利政策が国内銀行と年金生活者に大変な問題を引き起こしているとの認識を示した。写真は昨年11月撮影。(2016年 ロイター/ Hannibal Hanschke)

[ベルリン 12日 ロイター] - ショイブレ独財務相は、欧州中央銀行(ECB)の低金利政策が国内銀行と年金生活者に大変な問題を引き起こしており、欧州統合に向けた有権者の支持を損ねる恐れがあるとの認識を示した。ロイターのインタビューに応じた。

財務相は「低金利政策がドイツ金融界全体にとり大きな問題になっていることは議論の余地がない」と指摘。また年金暮らしの人々にも影響するため、「これは必ずしも、ドイツ国民が欧州統合を信頼する心構えを強めることにはならない」とした。

ただ成長を取り戻すのに、中銀だけに頼るべきではないとし、欧州各国は構造改革を断行すべきだと強調。ECBだけを責めるのは間違いとの考えを示した。

ドラギ総裁が前月、消費喚起や物価押し上げを狙って市民に直接資金を配る「ヘリコプターマネー」構想について興味深い手法と発言したことを受けて、ドイツでは批判が相次いだ。

ショイブレ財務相はこの件に関して「ECB内で真剣な協議が行われているとの印象は持っていない」と語った。

ギリシャの改革状況に関する審査をめぐっては、今週ワシントンで開催される国際通貨基金(IMF)、20カ国・地域(G20)関連会合の合間に協議が行われるとし、4月末までに合意できるとの見方を表明。ギリシャとは友好的に問題を解決できるとし、「今年、ギリシャ危機に再び直面するとは想定していない」と述べた。

世界経済情勢については、2月に上海で開催されたG20会合以降、悪化していないと指摘した。

G20では「財政、金融政策に過度な重点を置くべきではない」とし、政策担当者は中銀が異例の政策を解除することを許容すべきとした。ただ米連邦準備理事会(FRB)が緩和解除を慎重に進めざるを得ない状況にある点に言及し、「容易ではない」とも述べた。

中国が輸出主導からより持続可能な成長軌道へと移行を図っていることについては、簡単ではないが「上手くいくと確信している」と述べた。

ロイター
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