ニュース速報

ビジネス

三井住友F&Lがマイナス金利でCP発行、国内で初めて

2016年03月24日(木)17時44分

 3月24日、三井住友ファイナンス&リースが28日に発行予定するコマーシャルペーパーはレートが年マイナス0.001%となる。マイナス金利でのCP発行は国内で初めて。写真は一万円札。2013年2月、都内で撮影(2016年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 24日 ロイター] - 三井住友ファイナンス&リース(F&L)は、コマーシャルペーパー(CP)を28日に発行する。レートは年マイナス0.001%で、マイナス金利でのCP発行は国内で初めてとなる。

発行するCPは、期日が10月3日に設定された6カ月物で、発行額50億円。

三井住友F&Lでは、CP発行に向けて23日に入札を実施。もっとも好条件を提示した参加者に発行を決めた。「CP発行は、資金調達手段の一つにすぎない。今後もマーケット情勢に沿った条件で、資金調達を考えていきたい」(財務部)という。

発行体がCPを発行して資金調達をする場合、通常であれば購入した投資家に利子を支払う。市場筋によると、今回のマイナス金利の発行コストを当てはめると、発行体は単純計算で約2万5000円の利息を受け取ることになる。

マイナス金利によるCP発行を可能にしたのは、日銀が導入したマイナス金利政策だ。市場金利が急低下している影響で、日銀が17日に通告したCP等買い入れでは、全取落札レートがマイナス0.385%、平均落札レートがマイナス0.194%といずれも過去最低を記録した。CPの流動性が低下していることもレートを押し下げた。

短期市場関係者は「マイナス金利のCPを購入した投資家は、オペを通じて日銀に売却できる金融機関ではないか。ただ、CPの購入にあたり、クレジットリスクを加味する必要があるほか、マイナス金利で購入できる投資家が限られることを踏まえると、今後マイナス金利での発行が続くとは考えにくい」との見方を示した。

*写真を加えて再送します。

(星裕康)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア国営TV、米有権者をトランプ氏に誘導か=米情

ワールド

アングル:ハリス対トランプ」TV討論会、互いに現状

ワールド

SNS、ロシア影響下疑惑の投稿にほぼ未対応

ワールド

アングル:サウジに「人権問題隠し」批判、eスポーツ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...「アフリカの女性たちを小道具として利用」「無神経」
  • 3
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 10
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 5
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 8
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    世界最低レベルの出生率に悩む韓国...フィリピンから…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中