ニュース速報

ビジネス

ドル小幅上昇、FRB高官が4月利上げ可能性に言及=NY市場

2016年03月22日(火)07時30分

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが小幅上昇した。複数の米連邦準備理事会(FRB)高官が4月利上げの可能性に言及したことが支えになった。また、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)懸念が高まり、ポンド安が進んでドル高につながった面もあった。

終盤のドル/円は0.25%高の111.83円。ユーロ/ドルは0.2%安の1.1246ドルだった。

米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は21日、「米経済には十分な勢いがあり、今後開催する数回のFOMCで追加措置を講じることを正当化するだろう。早ければ4月に開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)で実施される可能性がある」と語った。

この日はサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁、リッチモンド地区連銀のラッカー総裁、セントルイス地区連銀のブラード総裁もタカ派的発言を行い、4月に利上げする可能性があることを示唆した。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「4月のFOMC後にFRB議長の会見が予定されていない点を考えると、(利上げがあれば)大方の予想よりも明らかに早いタイミングだ」と指摘。ロックハート氏が今後どの会合でも利上げがあり得るとの考えを繰り返し、全体としてこれまでよりも発言に幾らかタカ派的な要素が加わったことが、午後の取引でドルの主な支援材料になったとの見方を示した。

エシナー氏によると、ロックハート氏は地区連銀総裁の中では中間派とみなされているため、特に発言が注目を浴びたという。

ポンド/ドルは終盤の取引で0.6%安の1.4397ドル。英与党・保守党内のEU離脱派の大物政治家の1人、ダンカン・スミス雇用・年金相が19日、政府の社会保障費の削減方針への懸念を理由に辞任したことがきっかけとなった。EU離脱の是非を問う6月の国民投票を控え、キャメロン首相が保守党を結束させてEU残留を達成できるかどうか不安が広がった。

ミレニアム・グローバルでポートフォリオ投資部門責任者を務めるリチャード・ベンソン氏は「ポンドは通常、英国の政治ニュースにはあまり強く影響されないが、今回(の下落は)は恐らくブレグジット懸念によるものだろう」と述べた。

ポンド売りの影響もあって、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は直近で0.2%高の95.298だった。

ドル/円 NY時間終値 111.88/111.89

前営業日終値 111.61

ユーロ/ドル NY時間終値 1.1242/1.1246

前営業日終値 1.1269

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア国営TV、米有権者をトランプ氏に誘導か=米情

ワールド

アングル:ハリス対トランプ」TV討論会、互いに現状

ワールド

SNS、ロシア影響下疑惑の投稿にほぼ未対応

ワールド

アングル:サウジに「人権問題隠し」批判、eスポーツ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 3
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...「アフリカの女性たちを小道具として利用」「無神経」
  • 4
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 10
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 5
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 8
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 9
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中