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ドル上昇、焦点はギリシャから米利上げへ=NY市場

2015年07月14日(火)07時06分

 7月13日のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロ、円、スイスフランなどの主要通貨に対して上昇した。写真はユーロとドルの紙幣、ウィーンで3月撮影(2015年 ロイター/Heinz-Peter Bader)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 13日のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロ、円、スイスフランなどの主要通貨に対して上昇した。ギリシャ支援策をめぐる協議でギリシャと国際債権団が合意に達し、市場の焦点が早ければ9月にも予想される米利上げへと移ったことでドルが買われた。

ユーロ圏首脳は13日、財政緊縮策を条件にギリシャに期間3年で860億ユーロ規模の支援を行うことで基本合意した。ただ、その後ユーロ/ドルは1.10ドルの大台を割り込み、終盤は1.1006ドルで取引されている。

アナリストによれば、ギリシャ問題に対する先行き不透明感は残るものの、合意で市場のテーマは米連邦準備理事会(FRB)の利上げに移った。

イエレンFRB議長とローゼングレン・ボストン地区連銀総裁は、先週10日に9月利上げの可能性について言及した。イエレン議長は15・16日に半期に一度の議会証言を行い、利上げ時期を探るうえでその発言が特に注目される。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の通貨戦略部門のグローバル責任者、マーク・チャンドラー氏は「経済指標に新たに弱い数字が出てこなければ、FRBは9月に利上げに踏み切るだろう」との見通しを示した。

ドル/円は1週間超ぶりの高値となる123.535円を付け、終盤もその水準での取引となっている。ドル/スイスフランは終盤の取引で1.10%高の0.9496フラン。またドルの主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は直近0.77%高の96.769だった。

前出のチャンドラー氏は、ギリシャ協議合意後、米債が売られる一方で独国債が買われ、米独10年債利回り格差が9ベーシスポイント(bp)拡大したこともドルの支援要因となったと指摘した。

さらにアナリストは、イラン核協議の合意が近づいているとの観測で原油価格が下落していることが、ユーロの重しとなっていると見ている。

TJMブローカレージ(シカゴ)の外為部門共同責任者、リチャード・スカローン氏は「原油価格が下落すれば、世界的なインフレ率低下の可能性が高まり、それは欧州により過度の、あるいは米国に対するよりも多くの影響を及ぼす」との認識を示した。 

ドル/円    終値   123.41/43

始値   123.35/36

前営業日終値   122.79/83

ユーロ/ドル  終値   1.1005/10

始値   1.1048/49

前営業日終値   1.1165/70

*内容を追加しました。

ロイター
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