ニュース速報

ビジネス

パナソニック、2018年度までに1兆円規模の戦略投資を実行

2015年03月26日(木)20時04分

 3月26日、パナソニックの津賀一宏社長は、2018年度の連結売上高10兆円の目標に向けて、15―18年度の4年間で「戦略投資を1兆円実行する」と述べた。写真は、パナソニックの津賀一宏社長、2014年4月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 26日 ロイター] - パナソニック<6752.T>の津賀一宏社長は26日、2018年度の連結売上高10兆円の目標に向けて、15─18年度の4年間で「1兆円規模の戦略投資を実行する」と述べた。

車載や住宅の分野のほか、BtoB(法人向け)分野のM&A(合併・買収)などに充てて、売り上げ拡大路線をまい進する。

14年度の売上高予想は7.75兆円。これに対し、15年度8兆円、16年度8.4兆円、17年度9.1兆円と各年度の増収計画を示すことで、18年度の10兆円の達成を図っていく構えを示した。

売り上げ拡大を支える戦略投資1兆円について津賀社長は「M&Aに加え、研究開発、宣伝投資含む」と説明。15年度は2000億円の戦略投資を実施する。

津賀社長は、M&Aについて「数百億円規模が基本」とした上で「戦略投資1兆円の方針がただちに大規模M&Aと考えない方がいい」と述べた。一方で、M&Aの案件として検討する車載事業やBtoB事業の分野では「大規模な対象がある」とも指摘し、1000億円を超える巨額M&Aに含みも残した。

<売上拡大が利益けん引へ>

2011─12年度の2年間で1.5兆円規模の巨額赤字を計上した同社は、プラズマ撤退や半導体売却など構造改革に取り組んできたが、津賀社長は「14年度で構造改革は完遂した」と宣言した。

14年度は、テレビ、液晶パネル、半導体、光デバイスなどの分野で赤字が残る見込みだが、15年度は、テレビ、液晶パネルの2事業は黒字化する計画。津賀社長は、15年度に赤字が残るのは、半導体と光デバイスの2事業にとどまるという。

15年度は、売上高8兆円に対し、営業利益は4300億円(14年度予想は3500億円)を計画。これまでの利益改善は構造改革による固定費削減が中心だったが、津賀社長は「15年度は売り上げの伸びが利益をけん引する」と強調した。

ただ、18年度の売上高10兆円に対する営業利益については「まだイメージは語れない」と述べて、「最低5%の営業利益率」とするにとどめた。

*内容を追加して再送しました。

(村井令二 編集:吉瀬邦彦)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台風11号、ベトナムの工業団地に被害 数週間の稼働

ワールド

OPECプラスは増産を=インド石油省高官

ビジネス

FRB、0.5%利下げの強い論拠ある=ダドリー前N

ワールド

北朝鮮の金総書記、ウラン濃縮施設を視察 兵器級核物
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...いつしか「懐かしいだけの、美しい記憶の中の存在」に
  • 4
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    公的調査では見えてこない、子どもの不登校の本当の…
  • 8
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 9
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 10
    「とても健康で幸せそう」茶色いシミや黄ばみが酷評…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 5
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 10
    メーガン妃が自身の国際的影響力について語る...「単…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中