ニュース速報

ビジネス

レポ決済の短縮化、短期市場で最大の即日取引市場に=日銀リポート

2015年03月18日(水)18時54分

[東京 18日 ロイター] - 日銀は18日、レポ取引(現金担保付債券貸借取引)の現状と国債決済の短縮化に対応したレポ決済即日化への取り組みなどをまとめたリポートを公表した。レポ取引の即日決済が実現した場合、短期金融市場で最大の即日取引市場になる可能性が高いなどとしている。

レポ取引は資金と証券を一定期間交換する取引で、短期金融市場において資金や証券の運用・調達を行うための主要な手段となっている。取引残高は拡大傾向にあり、日銀によると、2014年7月末の残高は110兆円程度とコール市場の29兆円を大きく上回り、短期金融市場取引の約半分を占める。

現在、国債取引では決済リスクを削減するため、約定日から決済までの期間を現行の2日から1日(T+1)に短縮する取り組みが進められており、2017年以降の速やかな実施を目指している。そのためには、国債取引の資金の過不足の調整に利用されている、証券の銘柄を特定しないレポ取引(GCレポ取引)も現在のT+1から即日決済に移行することが不可欠となっており、市場関係者間で実現に向けた具体的な議論が進行している。

日銀では、GCレポ取引の即日決済が実現した場合、その規模は「20─30兆円」に達すると見込んでおり、即日決済が行われているコール市場に代わる「東京短期金融市場で最大の即日の資金取引市場となる可能性が高い」と指摘。市場参加者もコール市場では都銀のプレゼンスが高いが、GCレポ市場では証券会社が一定のプレゼンスを占めており、「即日のGCレポ市場の創設が短期金融市場にいかなる構造変化をもたらすのかも、1つの注目点」としている。

また現在、GCレポ取引の大半は翌日物が占めているが、即日決済化に向けた担保管理サービスの整備に伴い、市場参加者の事務負担が軽減され、ターム(期日)物取引の活発化も想定される。日銀では、ターム物のレポ取引の発展により、「有担保ターム物取引にかかる価格発見機能の向上やイールドカーブの円滑な形成に寄与する」と期待している。

(伊藤純夫)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、5月前年比+2.6%に鈍化 コア

ビジネス

ECB、インフレ目標達成に自信 統計のぶれ無視でき

ビジネス

トヨタ初の高度運転支援機能付きEV、25年に中国で

ワールド

トルコ、資金洗浄の「監視強化リスト」から除外
MAGAZINE
特集:小池百合子の最終章
特集:小池百合子の最終章
2024年7月 2日号(6/25発売)

「大衆の敵」をつくり出し「ワンフレーズ」で局面を変える小池百合子の力の源泉と日和見政治の限界

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 3
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス卿が語る
  • 4
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 5
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 6
    衛星画像で発見された米海軍の極秘潜水艇「マンタレ…
  • 7
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 8
    「次世代のトム・クルーズ」と話題のイケメン俳優、…
  • 9
    白昼のビーチに「クラスター子弾の雨」が降る瞬間...…
  • 10
    偉大すぎた「スター・ウォーズ」の看板...新ドラマ『…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 3
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス卿が語る
  • 4
    偉大すぎた「スター・ウォーズ」の看板...新ドラマ『…
  • 5
    「何様のつもり?」 ウクライナ選手の握手拒否にロシ…
  • 6
    スカートたくし上げノリノリで披露...米大物女優、豪…
  • 7
    衛星画像で発見された米海軍の極秘潜水艇「マンタレ…
  • 8
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 9
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 10
    ロシア軍部隊を引き裂く無差別兵器...米軍供与のハイ…
  • 1
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 2
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 3
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間
  • 4
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 5
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 6
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 7
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…
  • 8
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 9
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 10
    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中