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ドル119円半ば、イベント控え上値追い盛り上がらず
[東京 4日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル安/円高の119円半ばだった。実需の売りや株安に押された一方、119円前半では買い意欲も意識され底堅さを保った。ただ、30銭程度の狭いレンジでの推移にとどまり、方向感は出なかった。
ドルは早朝の取引で高値119.76円を付けたあと、仲値公示を挟んで一段安となり119.49円付近まで下落。実需のフローとみられる売りに押されたほか、前日比で一時200円を超える下げ幅となった日経平均も嫌気され、じりじりと下値を切り下げた。
午後に株価が下落幅を縮めた場面では119.78円まで再び上昇し「下値は切り上がってきており、上に行きたそうな雰囲気がある」(国内金融機関)との声が出ていた。ただ、その後は失速した。
市場では「ECB理事会や米雇用統計を控え、上値追いが盛り上がるような環境でもない」(邦銀)との声が出ていたほか、ドル/円は最近、120円を回復すると日銀緩和に対する慎重な報道が出て押し戻される場面が続いたことから「120円台の滞空時間があまりに短かく、買いにくい」(別の邦銀)と警戒する声も根強く聞かれた。
一方、119円前半では実需筋を含め旺盛なドル買い意欲があるとされ、底堅さも保った。
中長期的なトレンドとして「米金利も上昇し始め、ドルが強いことは間違いない。ただ、(120円台での)新たなレンジに入るだけの材料がない」とFXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は言う。
ドルが120円台に入ると発信される要人による円安けん制発言について、「(ドルは)完全にファンダメンタルズ相場になっているので、(当局の思惑とは関係なく)きっかけがあれば、レンジを切り上げる」との見方を示した。
HSBC/マークイットが発表した2月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.0と前月の51.8から上昇した。新規受注が好調だった。PMIは50を上回ると景況の改善、下回ると景況の悪化を示す。新規受注指数は52.2と、1月の51.2から上昇。新規事業指数も上昇した。
為替市場の反応は限定的だった。
<ADP雇用報告に関心>
きょうの海外時間には、米雇用統計の前哨戦と位置づけられるADP全米雇用報告や、米ISM非製造業指数といった経済指標が発表される。ADP雇用報告では、米雇用統計で注目される賃金動向などは含まれないが、「雇用者数が市場予想を上回るようなら、賃金をめぐる環境も改善しているとしての思惑につながる」(邦銀)として、週末に発表される米雇用統計への期待が高まりやすいとの指摘がある。
ドル/円は前日の東京時間に119円台に下落した後、120円台を回復できていないが、これら指標の結果が強ければ、「再び120円台半ば程度まで上昇する余地がある」(国内金融機関)との見方が聞かれる。一方、投資家の押し目買い意欲は継続しているといい、数字が弱かった場合でも下値は限定的との声もある。
ロイターがまとめた市場予測は、ADP雇用報告が22万人増、ISM非製造業総合指数が56.5となっている。
ドル/円
午後3時 119.66/68 1.1167/71 133.63/67
正午現在 119.60/62 1.1174/78 133.65/69
午前9時現在 119.63/65 1.1180/84 133.76/80
NY午後5時 119.74/76 1.1175/77 133.79/83
(為替マーケットチーム)