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国内本格回帰の兆し、1月鉱工業生産は資本財好調などで4.0%上昇

2015年02月27日(金)10時32分

 2月27日、経済産業省が発表した1月鉱工業生産指数速報は、予想(2.7%上昇)を上回り前月比4.0%上昇となった。都内で12日撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 27日 ロイター] - 経済産業省が27日発表した1月鉱工業生産指数速報は、予想(2.7%上昇)を上回り前月比4.0%の大幅上昇となった。生産も出荷も昨年1月の増税前の駆け込み時を上回る勢いとなっている。特に資本財出荷の高い伸びが目立ち、円安による輸出増に加えて、生産の国内回帰に伴って設備投資関連需要が本格化する兆しがうかがえる。

1月の生産は15業種中13業種で上昇し、幅広い分野での増産となった。出荷も前月比5.8%と大きく上昇、この結果、在庫は同0.6%低下し、在庫調整も順調に進捗している。

1月の生産をけん引したのは、はん用・生産用・業務用機械で、前月比9.4%の高い伸びとなった。このところ堅調な伸びを示していただけに、さらなる大幅上昇は一時的な振れというよりはトレンドとして捉えることができそうだ。

内容的には、円安効果とみられる半導体製造装置の輸出増加や、国内向けとみられる化学プラント用機器などの寄与が大きかった。同業種では出荷も12.9%と大きく伸びた。

また、電気機械では一般用タービン発電機が、情報通信機械では通信インフラ向けにデジタル伝送装置や固定通信装置などが寄与。内需向けに加え、円安により新興国向けに日本製品が競争力を発揮し始めた結果と経済産業省ではみている。

こうした製造向け機械類を中心とする資本財出荷は1月に12.8%の2ケタ増となった。

このほか輸送機械の寄与も大きく、新車やモデルチェンジがあり、生産を押し上げたとみられる。

経済産業省によると、1月の実質輸出の伸びが高く、円安に伴う輸出数量増加の効果が表れ始めたこともあるが、生産上昇はそれだけでは説明しにくく、国内回帰の動きも後押ししている可能性があるという。ただ、実際に生産能力指数は12月まで低下を続けており、これが改善に向かうことが国内回帰の確認材料となる。

先行き生産予測指数は2月が前月比0.2%上昇、3月が同3.2%の低下となった。先行きは一進一退となる見通し。はん用・生産用・業務用機械では海外受注が一服する動きもみられるほか、電子部品・デバイスでは春節商戦が終わり増産体制が終了することなども影響する模様。

経済産業省が予測指数から試算した1─3月の生産は、前期比3.4%と大幅な上昇となりそうだ。

生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動き」で据え置いた。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html

*内容を追加します。

(中川泉 編集:)

ロイター
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