ニュース速報

ビジネス

ヤマハ発の今期営業益予想は37%増、年4円増配を計画

2015年02月12日(木)18時40分

[東京 12日 ロイター] - ヤマハ発動機<7272.T>は12日、2015年12月期連結業績が3年連続の増収増益になる見通しと発表した。二輪車など全事業で引き続き増収増益を見込む。今期の収益予想はリーマン・ショック前の過去最高に近い水準。年間配当は前期比4円の増配を計画する。

今期の営業利益予想は前期比37.5%増の1200億円。増収効果で452億円、コスト削減で222億円押し上げ、過去最高(07年12月期の1270億円)レベルを目指す。

トムソン・ロイターの調査によるアナリスト15人の予測平均値は1201億円で、会社予想は同水準となっている。

今期の純利益予想は同11%増の760億円で、こちらも過去最高(06年12月期の772億円)が視野に入る。今期は連結配当性向20%をベースに中間、期末それぞれ22円として年間44円配当を計画する。

<次期中計へのステップアップの年に>

今期の売上高予想は同11.8%増の1兆7000億円、営業利益率は7.0%を目指す。売上高の過去最高は07年12月期の1兆7567億円だった。今期は3カ年中期計画の最終年度で、売上高1兆6000億円、営業利益率5%を目標に掲げている。

今回発表した会社予想はすでに中計の目標を上回るが、都内で会見した柳弘之社長は、今期は「現行の中期計画の成果獲得を最大化し、次期中計へのステップアップの年にしたい」と語った。次期中計は11月または12月に発表する予定という。

今期の想定為替レートは1ドル=115円(前期は106円)、1ユーロ=130円(同140円)とした。同社の場合、新興国通貨の影響が大きいほか、対ドルでの円安も、日本から北米への船外機の輸出などではプラス効果があるが、台湾で生産したスクーターを日本に輸入する際はマイナスに働く。

円安を背景に一部の国内メーカーで動きがある生産の国内回帰は「まったく考えていない」と柳社長は述べた。

<先進国二輪事業の黒字化にめど>

今期の二輪車の世界出荷計画は同8%増の628万台。前期は市場が低迷したタイ、インドネシアなど主力のアジアが5%減少したが、今期は9.2%増を見込む。

また、先進国向け二輪車事業について、柳社長は「経営の大きな課題だったが、(今期は)黒字化にめどがつく」との見通しを示した。同事業は2008年12月期から赤字が続いており、前期の14年12月期も132億円の営業赤字だった。今期は損益トントンを目指す。

<前期は年14円増配>

同時に発表した14年12月期の連結決算では、売上高が前の期に比べて7.9%増の1兆5212億円、営業利益は同58.2%増の872億円、純利益は同55.4%増の685億円だった。

主力の二輪車事業では、タイやベトナム、インドネシアで販売が落ち込んだが、国内や欧州、インドなどで伸びた。柳社長は「数量増減の地域差が鮮明になった」と振り返った。

好業績を受けて、前期の期末配当は従来予想の1株当たり20円50銭から25円50銭(前期は16円)に引き上げた。年間では、中間配当の14円50銭と合わせ、前年から14円増配の40円とする。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米FRB利下げ予想、BofAが今年3回に修正 他社

ビジネス

アングル:USスチール買収阻止の動き、日本企業の海

ビジネス

加クシュタール、セブン&アイに友好的協議呼びかけ 

ビジネス

セブン&アイ、「価値を十分認識した案なら協議も」 
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元で7ゴール見られてお得」日本に大敗した中国ファンの本音は...
  • 3
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 4
    ロシア国内の「黒海艦隊」基地を、ウクライナ「水上…
  • 5
    メーガン妃が自身の国際的影響力について語る...「単…
  • 6
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 7
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 8
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 9
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 10
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 8
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 9
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 10
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中