ニュース速報

KCN3CZ1HX

2024年12月05日(木)00時59分

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は4日、ユーロ圏の経済成長は今後数カ月で鈍化する可能性があり、中期見通しは不透明で下振れリスクが優勢との見方を示した。9月撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は4日、ユーロ圏の経済成長は今後数カ月で鈍化する可能性があり、中期見通しは不透明で下振れリスクが優勢との見方を示した。ブリュッセルで開かれた欧州議会の委員会で述べた。

ユーロ圏経済は過去1年半にわたって停滞が続いており、長らく予想されていた景気回復は実現していないうえ、フランス政局混迷により一層困難になっている。

市場の混乱が大きくなった場合にECBがフランス支援に踏み切るかとの質問に対し、ラガルド総裁は直接の回答を避け、「物価と金融の安定は相互に関連している。どちらか一方がなければ、もう一方も存在しない」と言及。金融安定はECBの主たる使命である物価安定に関係する要素だと述べるにとどめた。

またECBはインフレ対策を「確約」しており、不当かつ無秩序な市場の圧力にさらされた国の国債を無制限に購入することが可能な「伝達保護措置(TPI)」など複数の仕組みを駆使していると指摘した。

フランス国債利回りはここ数週間上昇基調にある。政権が崩壊すればさらに上昇する可能性があるため、投資家の間でECBの潜在的役割が注視されている。

しかし、市場の動きが無秩序でも不当でもなく、フランスは財政赤字抑制に向けた取り組みを進めている最中であるため、フランスがECBの支援対象となる可能性は低いとみられる。

このほかラガルド総裁は「調査に基づくデータは、サービス部門の成長鈍化と製造業の継続的な縮小を背景に、短期的には成長が弱まることを示唆している」と指摘。

「地政学的リスクが高まっており、国際貿易への脅威が増大している」とし、貿易障壁が製造業や投資に脅威を与えることになるとの見通しも示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政府、中国系ハッカーによる大規模メタデータ窃取を

ワールド

原油先物が反発、5日のOPECプラス会合に注目

ワールド

ロシア、シリア指導部との連帯表明 「反体制派に外部

ワールド

ロシア富裕層の制裁回避ネットワークを壊滅、米英が連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない国」はどこ?
  • 4
    韓国ユン大統領、突然の戒厳令発表 国会が解除要求…
  • 5
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 6
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 7
    肌を若く保つコツはありますか?...和田秀樹医師に聞…
  • 8
    混乱続く兵庫県知事選、結局SNSが「真実」を映したの…
  • 9
    ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」…
  • 10
    JO1が表紙を飾る『ニューズウィーク日本版12月10日号…
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 3
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 4
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 5
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 6
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 7
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合…
  • 10
    バルト海の海底ケーブルは海底に下ろした錨を引きず…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中