[ブリュッセル 23日 ロイター] 以下は、欧州連合(EU)首脳会議参加者の発言要旨。
<EUのファンロンパイ大統領>
◎欧州金融安定ファシリティー(EFSF)について
EFSFの拡充に関して、2つのモデルを定義した。最終案に向け詳細を詰める。2つのモデルを組み合わせて追加的効果を得ることも可能。協議はプラスの方向に向かっている。
悪影響が拡大しないよう、十分な予防策が必要だ。つまり、EFSFを支えている保証を拡大することなくEFSFを最大化することだ。EFSFのツールはより柔軟な活用が可能になる。いくつかの選択肢が検討されている。
◎ECBの関与の可能性
ECBの関与や完全な監督など、幅広い選択肢があり、ECBが全く関与しないというのは言い過ぎ。
◎イタリアへの改革圧力
今から26日の間に欧州委員会の一部のメンバーは、イタリアに対して、公約した策を十分実施するよう求めなければならない。
◎銀行の資本再編
欧州の銀行セクターの信頼感回復に向け、銀行の資本再編や資金調達状況の改善のために協調策が必要だということについては誰もが合意している。26日の欧州委員会メンバーによる会合で、財務相の最終合意がまとまる。
追加の取り組みが依然必要だ。そのため、今後のユーロ圏首脳会合で決定されることになる。
<ラガルドIMF専務理事>
良い取り組みが見られ、前進した。26日に向け、まだやるべきことはあるが、正しい方向に向かっている。
<ギリシャのパパンドレウ首相>
われわれの今日の目的は、ギリシャ国民に重くのしかかる債務負担を軽減することだ。こうした債務は厄介で、われわれが再び呼吸できるよう軽減が必要だ。
<サルコジ仏大統領> (会合の早い段階でのコメント)
◎ECBの独立性
メルケル独首相と詳細において共感を得られている段階だ。国の代表や政府に指示を任せる状況ではない。欧州の全機関の支持が得られなければ、どんな解決策も実行不可能だ。これはチームとしての取り組みだ。
◎金融取引税
金融取引税の導入について、われわれのこだわりを欧州の他の加盟国に訴えた。欧州委員会からの提案があった。金融セクター全体が規制される必要があり、その責任を負わなければならない。
◎今後に向け
数時間におよぶ協議があった。銀行への取り組みでは前進が見られる。救済基金や救済基金活用の可能性については、いくつかの案に絞られており、幅広い合意がまとまりつつある。
◎ギリシャの状況
ギリシャに関して言えば、前進が見られる。まだ終わったわけではない。26日まで時間がある。
◎イタリアの状況
メルケル独首相とともに、イタリアのベルルスコーニ首相と会談した。ギリシャ首相との会談も予定している。なぜなら、複数の措置を講じる必要があるからだ。懸念されている国はそれぞれの責任、および、今後必要になる決定を認識するべきだ。
◎26日の首脳会議
われわれの願いは26日に金融危機の痛みを軽減する案で合意することだ。それにより、われわれは一緒に、ドイツと共にG20の準備を進めることができる。G20では、グローバライゼーションに関する規制についての決定が行われる必要があるほか、世界的な成長に向けた道筋が示される見通し。
<独メルケル首相>
◎危機終息に向けた措置
われわれはある意味で、数十年前に始まった出来事と戦っている。これは通貨ユーロの危機ではない。26日に決定する措置はわれわれが講じる最後のものではない。そのため、将来を見据えた時、おそらく今後、ユーログループの管理メカニズムを強化する必要があるだろう。
そのため、講じるべき措置がたくさんある。現時点での協議では、われわれは26日に、ともにつながり、相互補完的な一定の措置を講じなければならない。銀行の資本再編はそれだけでは意味がない。同時にギリシャの問題を現実的にとらえ、解決する必要がある。
◎イタリアの状況
われわれはイタリアがユーロ圏において大規模で重要な国であることを明確にしている。責務を果たすためイタリア政府が全ての事を行うと確信している。
イタリアは経済大国だが、債務は非常に高水準だ。これは今後数年間に信頼できる方法で削減される必要がある。これがイタリアに期待することだ。
◎銀行の資本再編
前進があったことを非常に喜んでいる。銀行の資本再編に関して、財務相の間で可能な限りの合意が得られた。大きなコンセンサスがある。
◎経済改革を推し進める必要
信頼は大きな予防策のみで確立できるものではない。信頼はギリシャの追加財政再建策のみで得られるものでもない。信頼は皆がやるべきことを行う時のみ築かれる。
◎EFSFの変更
きょうわれわれは、26日の決定に向けて準備を進めている。これは、例えばEFSFがどのように機能するかなど、複雑なプロセスにおけるテクニカル面での詳細だ。
全ての詳細を検討する必要がある。きょうユーロ圏首脳からの決定を期待すべきでない。26日の決定を見込むべきで、何を期待するか明確にするため、この点を強調したい。
*内容を追加して再送します。
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