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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
ウィキリークス「便乗犯」ウォッチ2:ロシア
ウィキリークスの機密暴露に便乗したでっち上げ情報で外交上の策謀を巡らせているのは、先週紹介したパキスタンだけではなかった。懸念した通りだ。ラジオ・フリー・ヨーロッパのクレア・ビッグは次のように報じている。
たとえば09年9月、国連総会でイランのアハマディネジャド大統領がイスラエルやアメリカを非難する演説を始めると、西側の外交官が一斉に退場した有名な一件。ロシアの週刊誌ラスキー・リポーターは、この退場劇は偶発的なものではなくアメリカ政府によってあらかじめ仕組まれたものだと報じた。
同誌は12月2日号でウィキリークスが公開した文書を引き合いに出し、アハマディネジャドの演説のどの部分で退出すべきかなど、細かい点までアメリカ政府がEU代表団に指示していたと主張している。もし本当なら、米政府のメンツは丸つぶれになりかねない。
だがウィキリークス文書に関する他の報道と違ってラスキー・リポーターは、その主張の根拠となる文書を具体的に挙げていない。ウィキリークスのデータベースを隅から隅まで探してもそのような外交公電は見つからない。同誌は政治的な動機から、ウィキリークスに便乗してニセ情報をバラまいているのではないかと一部の専門家は指摘する。
■ロシアにしてはウソが小さい
よくこんなウソを見つけたと思う。だがもし私がロシア政府の宣伝担当者なら、もう少し大きな獲物を狙ったと思う。たとえば、ウクライナのオレンジ革命はアメリカが裏で糸を引いていたとか、ロシアの野党指導者は米政府に雇われているとか、東欧などに配備するミサイル防衛構想の標的は、イランではなくロシアだとか。
アハマディネジャド演説のボイコットは重大な意思表示には違いないが、歴史を変えるほどの事件からは程遠い。おそらくロシア人は、嘘がバレバレだったパキスタンの過ちを繰り返すまいとしたのだろうが。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年12月13日(月)9時33分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 14/12/2010. © 2010 by The Washington Post Company.
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