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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
宇宙人とチェスが命の大統領
ロシア・カルムイキア共和国の大統領キルサン・イリュムジーノフは、世界で最も奇天烈な政治指導者の一人。宇宙人に拉致されたという主張を決して引っ込めようとしないし、貧しいカルムイキアを世界のチェスの首都にしようと500億ドルもするドーム型の競技場「チェス・シティ」を建設した。
そのイリュムジーノフが、17年ぶりに大統領の座を退くと9月7日に発表した。過去15年間、国際チェス連盟(FIDE)の会長も務めてきた彼は、その再選に全力を傾けるという。
だが、もしかすると選択の余地はなかったのかもしれない。共和国の大統領を任命するロシア政府はこのところ人事刷新に力を入れている。イリュムジーノフも事実上解任されたようだ(宇宙人に拉致されたとき、イリュムジーノフがロシアの国家機密を漏らしたかどうかが関係していたかどうかは定かでない)。
モスクワ在住のジャーナリスト、カール・シュレックが5月に書いたイリュムジーノフのプロフィールによれば、彼はチェスのグランドマスター、アナトリー・カルポフと国際チェス連盟の会長の座を争っている。裏取引や訴訟が入り乱れる会長選の投票は、シベリアのハンティ・マンシースクで2年に1度のチェス・オリンピアードが開催される9月29日に行われる。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年09月07日(水)11時07分更新]
Reprinted with permission from "FP Passport", 8/9/2010.© 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
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