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オーストラリアの診察室から

高尾康端|オーストラリア

2週間の自宅隔離を経験して

画像: WinnieVinzence-ISTOCKS

クイーンズランド州では新型コロナウィルスの市中感染が時々あったものの感染拡大はその都度抑えています。

しかし7月29日にブリスベンのハイスクールの生徒の1人がコロナウィルスに感染してしまいました。その後、生徒の家族や近隣の学校でも感染が確認され、さらにデルタ株であることが確認されました。クイーンズランド政府は7月31日の午前中にその日の夕方からロックダウンに入ると発表をしました。発表から6時間後にロックダウンです。そして瞬く間にブリスベンの4校の生徒、保護者、教員の間で感染者がでてしまい、この4校は14日間の休校となりました。また多くの場所がホットスポットになり、私の家族も濃厚接触者となったため、私自身も2週間の自宅隔離対象となってしまいました。

家族が濃厚接触者となったとわかり、すぐに家族全員ドライブスルーの検査場に行きました。クラスターがおこっていない時は、ほぼ待ち時間はないのですが、すでに長蛇の車の列ができていて、最低でも4時間待ちだと言われました。家族全員陰性でしたが、結果が出るまではとても長く感じました。ブリスベンはその時すでにロックダウンにより行動がかなり規制されていましたが、自宅隔離はロックダウンよりも行動規制がより厳しいです。オーストラリアは世界的にみても厳しいロックダウン、隔離政策を行なっているのです。

自宅隔離対象者は基本的に急病で病院にいくか、PCR検査を受けに行く以外は自宅の敷地から出てはいけません。ロックダウンの場合は10キロ以内なら外に散歩にいったり食料品の買い物のための外出は可能です。しかし自宅隔離の場合、スーパーに買い物に行くことも、散歩もできません。庭やベランダがある場合そこにでるのは可能なので、裏庭で日向ぼっこをしたりはできました。ロックダウンとは大きく違います。

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画像: Xsandra-ISTOCKS

買い物に行けない隔離対象者向けにスーパーから食料を配達してもらったり、薬局から薬を郵送してもらったり、飲食店から配達を頼むことは可能でした。もちろんすべて接触できないので、ドアの前に置いてもらえます。

ブリスベン近郊ではこのクラスターにより1万人以上の人達が自宅隔離対象者となりました。私達の自宅隔離が始まったときはすでにロックダウン中だったので、子供は学校が用意してくれたオンライン学習を自宅でやりました。ロックダウンは1週間ほどで解除されましたが、隔離中の生徒のため2週目もオンライン学習の課題を用意してくれたので、隔離中も勉強を続けることができました。しかし低学年の子供にとって外で遊べないのはかなりつらかったようです。家の中に簡単なバスケットゴールを作ったり、なわとびやダンスなどでエクササイズしていましたが、それでも夜眠れなくなってしまうなどの問題が起こりました。

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画像:monzenmachi-ISTOCS

隔離12日目に2回目のPCR検査を受け、陰性であれば14日で隔離は終了となりますが、もしこの時点で陽性の場合、更に14日間の隔離となります。今回のクラスターは学校で広がり、子供たちに感染してしまいました。私も子を持つ親として感染してしまった子供たちのことを思うと胸が痛みます。

 

Profile

著者プロフィール
高尾康端

日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。

Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog

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