World Voice

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ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

最終話「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

映画「南東からの風」(仮題)脚本冒頭

皆さんこんにちは何と10話までの長編になってしまいました、この映画アウンサンシリーズ。
いよいよ最終話です。
これまでの話を読んでいない方は先にそちらからお読みください。
中々のボリュームになってしまいました、お時間のある時に読んでいただければと思います。
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/shimmachi/

これまで映画アウンサンのオーディションの話、そしてスタジオやロケなどの撮影などの話をお伝えしてきました。
今回はそんな活動の中から産まれた新しい映画の企画についての話です。
このシリーズの中でも少しだけ書いたのですが、その企画はオーディションの日、私たち日本人のお世話をしてくれることになるミャンマー人が開いてくれた、親睦を深める意味も含めての飲み会でのとある話がキッカケでした。

「今回集まってくれた皆さんとまた映画が撮れたら最高ですね、その映画の主人公はアウンサン将軍でも鈴木大佐でもなく皆さんで。逆に2人が脇役なんです。」
こんな言葉がその方から出てきました。
なるほど、なるほど。
それは凄く面白いアイデアだなと思いました。

今回、我々は実在する人物を演じてはいるが、あくまで主演はアウンサン将軍や鈴木大佐だ。
だけど、そのスピンオフとして、脇を固める人達のサイドストーリーがあるときっと面白い。
脇役と言ってもその中で凄く重要なポイントで2人が出てくれれば映画アウンサンを観た人もきっと楽しめる映画になる。

私たちは勿論誰も知らないような名もなき出演者ではあるが、今回の映画は国を挙げての映画で、そこの出演する日本人は少なからず話題にはなっている。
一つこぼれ話だが、以前に話した、撮影開始記念の会見の後、いつも行っていたマッサージのお店のマネージャーのおばさんが急に坊主になっていた私を観て何か気付いたらしく、ニュースの映像をスマホで私に観せながら
「これはもしかしてあなたか?」と聞いてきた。
この時点ではどんな役になるのか、本当に出られるか、まだ私の中で、不安はあったが、会見に出たのは本当の事だし、おばさんが自分の事のように喜んでくれるので、
「そうだよ、今度映画に出る事になったんだ」
と答えた。
そのおばさんは嬉しそうに店中のマッサージ士の子達にその映像を観せながらその事を話題にしてくれていた。
何とも気恥ずかしいが素直に嬉しい出来事だった。

この、映画アウンサン自体が話題になれば、そこに出演していた日本人も少しは認知度が上がるハズである。
更にその映画と同じ役で違う映画という作りにすれば話題にもなりやすい。
更に更に、2019年の9月の段階で公開は来年夏以降だろうという事にはなっていた。
11月の総選挙までには公開をしたいと考えているだろうという話もあり、少なくともまだまだ公開は先のこと。
今からこの企画をアウンサンの映画の製作と並行して進めていくことが出来れば面白い話題作りが出来たりするのじゃないか?

例えば、映画アウンサンの公開が迫り、CMが打たれ始めるのと同じタイミングでこのスピンオフ作品のCMを自分たちで作り、世間に公表するなど。
我々日本人だけのシーンでコンパクトに製作すれば決して大きな予算が無くてもそういう事は可能なんじゃないか?
そして、堂々と「この作品は映画アウンサンのスピンオフである」というような謳い文句が出来たとしたら。
その事が本家の映画アウンサンの宣伝にもなるんであれば相乗効果で面白い事になるんじゃないだろうか?

などなど。
凄く小さなヒントを基に映画企画のアイデアが沢山出てきて自分の中でかなり盛り上がってきた。
勿論映画を作る事は決して簡単な事ではない。
しかし、ここはミャンマーだ。
日本なら絶対無理、いや限りなく無理に近いような事でも可能性はある。
これまでに培ってきた事を総動員すれば決して不可能ではないのではないか?

思い返せば
「ミャンマーの映画祭に出す為に短編映画を作ろう」
何てのもよくよく考えれば無茶苦茶な話である。

しかし、酒場のノリの勢いそのままに私は仲間とその映画を作り上げ、映画祭でノミネートまでしてもらえた。
後に小さな規模ではあるが世界中の映画祭で受賞まで出来た。
因みにこの映画は製作費たったの3000$の超低予算作品だ。

「面白いならやってみよう、出来るか出来ないかは後で考えれば良い」
私がミャンマーで様々なチャレンジしてきた時はいつもそうだったと思う。
そういえばいつも会議で社員たちに言っていた。
「私たちはエンターテインメントに携わる人間だ、だからとにもかくにもまず面白いを大事にしよう。人間面白いと思ったものにはお金を出すだろう?そこには必ずビジネスチャンスがあるはずだ」

あれからこの企画はずっと止まったまま、随分と時間は経ってしまった。
本当ならコロナが無ければ去年の間に撮影が開始しているくらいのスピードで企画を立ち上げたいと思ってはいたが、そうはいかず、さらに2月からのクーデタ―で、私が考えた企画はおろか、本家の映画アウンサンも本当に公開されるのかどうかもわからなくなってしまっている。

それでもこの企画は決して私の中では今でも色褪せずに残っている。
むしろこんな時こそより輝いていくんじゃないかとさえ思えるものになっています。

太平洋戦争開始の少し後、タイのバンコクでミャンマー独立義勇軍が日本軍の特殊組織である「南機関」の支援により立ち上がり、その後、破竹の勢いでミャンマーを北上し首都ラングーン(今のヤンゴン)を3か月余りで英国から奪い返す。
この物語はその僅か3か月余りの間の、ある時期にとある場所で起こった歴史に残らない極秘作戦の話。

最後にこの映画「南東からの風」(仮第)の冒頭部分の脚本を公開します。
画像にある通り初稿ですので、今はここに書かれているままではありませんが、私が企画している映画の雰囲気を感じてもらえると嬉しいかなと思っています。
いつかこの映画が日の目を見る時には
「そういえばあそこで脚本を公開したたりしたな」
などと話題になると面白いなと、今から楽しみで仕方がありません。
いつか必ずやり遂げたいと思います。
後どれくらいの時間がこんな風に映画を楽しく作れるようになるまでミャンマーには必要で、そこから更にどれくらいの時間が私に必要なのかは想像もできませんが、その時がくるまでミャンマーにこだわり続け、関わり続けていようと思います。
どうか応援をよろしくお願いします。

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Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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