スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~
インドにおけるリビングウィズコロナの日常:医療品配送サービス
11月の記事では、食品にフォーカスしてデリバリーサービスを紹介しましたが、今回は医療系にフォーカスしてサービスを紹介していきます。
インドの先入的なイメージだと、「そこまで医療が発達しているわけじゃない・・・不安だ。」という声が多いと思いますが、ヘルスケアの面では、ジェネリック医薬品を中心に医療産業がかなり発達しているのです。
例えば、BIOCONはインドを代表する世界的な医薬品メーカーとなっており、世界中にジェネリック医薬品を輸出しています。
このような背景もあって、2021年2月においては、インドが他国へワクチンを輸出していたのです。
(現在は感染拡大につき、輸出制限中)
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2021年2月時点:
インドのモディ政権は1日までに、南米ブラジルと北アフリカのモロッコ向けに国産の新型コロナウイルスワクチンの輸出を開始した。これに続きサウジアラビアや南アフリカにも輸出する。インド国内で海外向けの医薬品供給体制構築を急いでおり、この機をとらえ米バイデン政権との間で貿易や安全保障面関係を強化したい考えだ。
引用元:インド、国産ワクチン輸出で布石 貿易・安保で米政権と関係強化探る - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
2021年4月時点:
インドで新型コロナウイルス感染者が急増している。政府はワクチンの国内接種を優先させるため、輸出を一時停止。インドが大口供給元となる予定だった、ワクチンを共同購入して途上国に供給する枠組み「COVAX(コバックス)」にも影を落としている。ワクチン輸出を通じて国際的な影響力拡大を狙うモディ政権の「ワクチン外交」は方針転換を迫られた形だ。
今回はそんな中で医療品配送サービスがどのようになっているかを紹介します。
1.医療用配送サービスの基本的体系
基本的には以下カテゴリ分けができます。
■処方箋が要る薬:処方箋をwebでアップロードして薬剤師からのチェックを受けてデリバリー
■サプリ、マスク、生活雑貨、サニタイザー:処方箋が要らないので、そのままeコマースのようにオーダーしてデリバリーを受ける。
処方箋は病院で入手しなければいけないので面倒ですが、一度入手してしまえば何回かアップロードして利用できるので、いちいち病院を再訪しなくても薬を入手することができます。
[凡例]
(画像引用元:Medicine Information, Alternatives, Prices, Order Medicines Online and More - MedPlusMart)
2.代表的な医療品配送サービス:Appolo Pharmacy
数あるサービスの中で私が多用しているのは、Appolo Pharmacyとなります。
ベンガルールでの拠点数となりますが、Google Mapで見ただけでもかなりのショップ数を誇り、インド国内で数多くのショップを保有しています。
[ベンガルールのAppolo Pharmacy 配置図]
(Google Map より引用)
以下は商品の凡例になりますが、サプリ、石鹸、頭痛薬、シャンプー、マスク、綿棒、目薬、歯磨き粉となんでも揃う印象です。
(筆者撮影)
しかも、素晴らしいのは、早い時間帯にオーダーすればその日のうちに商品が届いてしまうことです。
以下は私のオーダー履歴ですが、その日のうちにしっかり届きました。
(筆者撮影)
このように、医療用配送サービスが発達しているので、インドでも都市部に居る限りは不自由なく暮らすことができるというのが私の持論です。
引き続き類似サービスやリビングウィズコロナの日常で見つけたサービスを紹介していきます!
著者プロフィール
- 永田賢
Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。
Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/