日本人コーヒー生産者が語るコロンビア
コロナウイルス第3波のコロンビア ワクチン接種状況や街の様子は?
昨年末にコロナウイルスの第2波を迎えたコロンビア。
年末年始に人の移動を厳しく制限したりとコロナウイルス感染予防を強化し、1日2万人を超えるほどだった感染者数も2〜3月には3〜5000人程度にまで減少しました。
外出の制限もなくなり、パンデミック以来ずっと閉まっていた映画館の営業再開の時期が発表されるなど、徐々に日常を取り戻しつつあったコロンビアですがここに来て第3波が始まってしまった様です。
Colombia está cerca del tercer pico de COVID por vacunación lenta y relajación de la gente: expertos.
-- Noticias Caracol (@NoticiasCaracol) March 16, 2021
Semana Santa podría generar una interacción social como la de diciembre y, por ende, un aumento de casos que desborde el sistema de salud - https://t.co/dIpw3kAExR pic.twitter.com/4RIwc5lBWx
首都ボゴタの状況
首都ボゴタでは病院の集中治療室の使用率が75%を超えたことから、クラウディア・ロペス市長は4月13日に「赤信号」を宣言しました。
更に週の4日間はアクティブに過ごし、3日間は外出を控えるという「4×3モデル」を実践することを発表。したがって15日(木)の夜から19日(月)の朝までロックダウンを行うことを決定しました。政府関係者の70%はリモートワークに切替え、大学にもバーチャル授業を行う様に呼びかけています。
先週から夜間のみのロックダウンなどの対策を行ってきたボゴタですが、ウイルス対策に合わせて住人の足であるトランスミレニオ(路面バス)の本数を減らしてしまった結果、仕事を終えた人が駅にごった返してしまい、利用者たちがツイッターなどを通じて政府に対し批判の声をあげるという出来事も起こりました。
Lo que está sucediendo en Transmilenio es la muestra clara de que las cuarentenas están desconectadas de las necesidades ciudadanas. Bogotá tiene una informalidad superior al 40%. Las aglomeraciones de hoy demuestran la consistente incapacidad de planeación de esta administración pic.twitter.com/qFzdTXsUGE
-- Juan Baena (@juanbaenam) April 12, 2021
第二の都市メデジンの状況
コロンビア第二の都市メデジンではパンデミックが始まって以来の深刻な事態を迎え、4月8日からウイルス感染拡大防止を強化してきました。
一時は集中治療室の使用率が96,9%まで上昇し、行き場がなくなった新規患者を他県まで輸送しなければならないほどに。病院の前にコロナ感染者を乗せた救急車の行列ができていたという目撃情報もあったほどでした。
これ程の事態なので、メデジンもボゴタ同様に週末ロックダウンを実施し更なる感染拡大防止に努めます。
Así se vive el primer día de la cuarentena total en Medellín.
-- Publimetro Colombia (@PublimetroCol) April 9, 2021
La medida se extenderá hasta el lunes a las 5:00 a.m.
Fotos: @JuanchooCardona pic.twitter.com/R76VhY2tVM
そしてメデジンで今注目されているのは子供のウイルス感染。メデジンがあるアンティオキア県内で7人の子供がコロナウイルスに感染し集中治療室で治療を受けているというのです。子供たちの年齢は全員6歳以下ということで、過去に子供が重症化するケースは少なかったことから変異種が関係しているのではないかという声も上がっています。
#Salud | La enfermedad #COVID19 no discrimina edades: en Medellín hay 7 niños en estado grave.
-- red+ noticias (@RedMasNoticias) April 14, 2021
Amplíe la noticia ➡️ https://t.co/mDoe5ju01A pic.twitter.com/GZNHGFBDMb
急がれるワクチン接種
コロンビアでは医療関係者、80歳以上の高齢者、70〜79歳のワクチン接種を既に終え、都市部では65歳以上を対象としたフェーズに入りました。対象となる人は110万人ほどとなり、2週間以内にこの年齢層の接種を終える予定です。
コロンビアでは摂取開始から55日間で3,173,583回分のワクチン接種を行っていますが、保健省のフェルナンド・ルイス大臣は「ワクチンの効果を感じるためには国民の80%の接種が必要。そこまで到達するのは今年の年末ごろになるだろう」とコメントしています。
村の様子
外出禁止令が始まる日、近くの村に買い出しに行きました。
街はとても賑やかでまるで週末のよう。とても第3波真っ只中とは思えないほどでした。
しかし感染が抑えられているというわけではなく、村の人の話によると今週だけで33人の感染者が確認されたということです。
夕方になってくるとあちこちで渋滞が起こり始めました。
この村はメデジンからわずか55kmの場所に位置しているので、このような外出禁止令が出る度アパートの中で缶詰状態になるのを避けるために街から多くの人が親戚を頼って避難してきます。
この村はコーヒーをはじめとする農作物の生産が盛んで、また年配の方も多いことからウイルス感染が広がると大変なことになるのですが、みんな自分だけなら大丈夫と思っているのか、毎回外出禁止令が出される度にこのようなことが起こるのです。
たくさんの荷物を積んだ車の行列を眺めながら、いつまでこのような事が続くのだろうかと思わずため息が出てしまいました。
著者プロフィール
- 松尾彩香
コーヒー農家を営む元OL。コーヒーを栽培する一方で、コーヒー農家の貧困や後継者不足問題、コロンビアでの生活についてSNSを通じて発信。朝の一杯のコーヒーに潜む裏話から、日本ではあまり報じられないコロンビアの情勢まで幅広くお伝えします。2022年7月よりスペイン在住
Twitter: @maon_maon_maon