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Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア

平野美紀|オーストラリア

そこは、食のワンダーランド!150年以上市民の胃袋を支えるアデレード中央市場

アルジェリア出身の店主が作る本格パエリア。パエリアは、対岸のスペインの影響でアルジェリアではポピュラーな食べ物のひとつだそうだ。(2021年3月 筆者撮影)

一歩足を踏み入れれば、異世界にさまよいこんでしまったかのような錯覚に陥る。あっちもこっちも、目に入るものすべてに惹きつけられて、迷宮にハマってしまいそうだ。

オーストラリア第5の都市、南オーストラリア州の州都アデレードの街中で、150年以上に渡って市民の胃袋を支えてきた「アデレード中央市場(アデレード・セントラル・マーケット)」。

州内各地から届く新鮮な季節の果物や野菜、シーフード、ハムやチーズ、お惣菜、スイーツなどなど、カラフルで食欲をそそる食品がずらりと並ぶ。

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新鮮な生クリームや濃厚なチョコレートをたっぷり使ったケーキ。1ピースが日本の標準的ケーキの1.5倍ほどの大きさ!(2021年3月 筆者撮影)

おいしいものは万国共通、人々を幸せな気持ちにしてくれるもの。

多民族国家ならではの、スパイスの効いた食べ物やお国柄が表れた手作りスイーツ・・・どれもこれもおいしそうで、片端から食べることができたなら、どんなにいいだろう...と思うけれど、胃袋に限界があるのがツライところだ。

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南オーストラリア州は漁業が盛んなため、シーフードが抜群においしい。(2021年3月 筆者撮影)

国内最大のワイン産地である南オーストラリア州は、ぶどうに被害をもたらすショウジョウバエ等の害虫が、他州の農作物に紛れて入り込まないよう、厳格に対処していることもあり、可能な限り州内で生産することをモットーとしている。そのため、地元産の食材が豊富なのもうれしい。

朝からお腹を空かせて、アデレード随一の『食のワンダーランド』へ、いざ出発!

アデレード中央市場の歴史

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グロート・ストリート(Grote Street)から見たアデレード中央市場の今昔。上/2006年撮影 Author : Scott W.@ Wikimedia 下/1927年撮影 Image courtesy of the State Library of South Australia, Photographer: Potts, F. A

アデレード中央市場の歴史は、1869年、それまで市(いち)が立っていた町東部のイースト・エンドという場所に不満を持っていた一部の生産者たちが、市内中心部のグーガー・ストリートとグロート・ストリートの間の場所(現在の中央市場とほぼ同じ場所)へ移動し、行商したことから始まった。

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カラフルな季節の果物や野菜が並ぶ。値段もお手頃!(2021年3月 筆者撮影)

1870年にアデレード市がこの場所へ市場を建設し、正式オープン。

オープン当時は「シティ・マーケット」と呼ばれていたが、後に「アデレード・セントラル・マーケット」となり、1900年に造られたレンガ造りのファサードは、今もそのままに当時の面影を伝えている。

最初の行商から、今年で152年。

オーストラリア国内で、オープン当初から同じ場所で営業を続ける最古の市場でもある。現在は、70以上の業者が場内で営業する、南半球最大級の屋内市場のひとつだ。

多民族国家ならではの異国グルメ体験

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州内で生産されるフレッシュなチーズはもとより、世界各国を代表する様々なチーズを扱う「Say Cheese」。(2021年3月 筆者撮影)

世界中から移民してきた人たちが母国の食を提供してくれるため、居ながらにして本格的な各国グルメが楽しめるのが、多民族・多文化主義として歩むオーストラリアのグルメの醍醐味だ。

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本格的なアルジェリア料理とスパイスの店「Le Souk」は、陽気な店主の人柄と居心地のよさで朝食スポットとして人気。右下/トルコやギリシャなどでもお馴染みのお菓子バクラヴァ風のナッツ・ペイストリー(手前)はピスタチオがたっぷり!(2021年3月 筆者撮影)

オーストラリアは、移民同士の結束が強いところがあり、同じ移民国家であるアメリカと比べて、お国柄がかなり色濃く残っていることも、特徴のひとつと言えるかもしれない。

市場は、それが集約された食の『万博会場』。

地元の新鮮な食材を使った世界各国のお国自慢料理が、比較的安価で食べられる至福の空間なのだ。

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テイクアウト専門カフェでコーヒーを買って、ベーカリーのクロワッサンやバケットで朝食にするものいい。写真は州内産にこだわったクッキーやマフィン、スナック類も扱う「Producer in Residence」(2021年3月 筆者撮影)

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自家焙煎のコーヒー豆は、お土産にもぴったり。焼き立てのクロワッサンやパン、お菓子類が並ぶ。(2021年3月 筆者撮影)

アデレード中央市場では、フランスやドイツ、イタリアなどのヨーロピアンはもちろん、アルジェリアや南アフリカ、エジプト、東南アジア、日本などのエスニックなグルメも楽しめる。

テイクアウトはもちろん、その場で食べられる店もあるので、到着したらまずは一周してから、お目当てを見つけて突撃開始!

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オーガニック食品を扱って30年という「Central Organic」と系列店の「House of Health」は、アデレードの健康志向の人やヴィーガンの人たちから絶大なる人気を誇る。(2021年3月 筆者撮影)

オーガニックにこだわる「Central Organic/House of Health」では、ヘルシーなおやつを入手したい。ロースイーツ(火を通さない生菓子)はカラフルで見た目も美しい!(ひとつ上の写真と上写真右下)

パステルカラーがかわいいチョコレートはお土産にもおすすめだ。(上写真右上)

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上/アルジェリア料理の「Le Souk」で一番人気のシャクシューカ。下/アルジェリアの伝統的なお茶には乾煎りした松の実が入っている。(2021年3月 筆者撮影)

アルジェリア料理の「Le Souk」で、本格的な北アフリカ料理の「シャクシューカ」と伝統的なお茶(チャイ)で、まったりと朝食を楽しんだら、ベーカリーでフレンチ・バケットと手作りパテやチーズを買って、ピクニック・ランチに出かけようか...

Adelaide Central Marketアデレード中央市場(アデレード・セントラル・マーケット)
住所:44-60 Gouger St, Adelaide SA 5000
営業日:(火)7.00am - 5.30pm、(水)(木)9.00am - 5.30pm、(金)7.00am - 9.00pm、(土)7.00am - 3.00pm

Special thanks to:Tourism Australia, South Australian Tourism Commission, Door To Door Chauffeurs

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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