サッカーを食べ、サッカーを飲み、サッカーと寝る国より
「中止するべきだった」東京五輪開催は決定事項、ブラジルメディアの批判は過去形に
◉着々と進むオリンピック選手選考とワクチン確保
先日、東京オリンピックに参加するブラジル男子サッカーのメンバーが発表された。
6月末に一部の入れ替えは行われるが、このメンバーを基準に最終調整を行っていく。
国内組11名、海外組12名。
前回大会王者として、またブラジルにとっては因縁のライバル・ドイツと同組の予選リーグ。
今から楽しみである。
まだいくつかの種目は、オリンピックに参加する選手を選定できないでいる。
これは南米で開催される大会が、延期や中止になっている為である。
本番まであと2ヶ月弱。
最終確定まで一気に進むであろう。
選手には良いコンディションで大会に臨んで貰いたい。
ブラジル代表選手団は、ブラジル出国前、もしくはキャンプ滞在先で、Covid-19対応のワクチンを摂取する事になっている。
中国が世界中に配布しているワクチンをIOC(国際オリンピック委員会)が譲り受け、IOCからブラジル保健省が確保している。
その数、約1,500。
選手、テクニカルスタッフ、オリンピックに関連するジャーナリストをワクチン摂取計画の優先グループとして位置づけ、摂取を行なっている。
国内全てにワクチンが行き渡ってないので、多少の批判の声は上がっているがそれほど大きな声にはなっていない。
◉ブラジルメディアの発信
残念ながらブラジルの一般の方は、今回のオリンピックを日本国内で観戦する事は出来ない。
議論が白熱している、無観客、有観客に関係無く、日本政府の水際対策によって入国が禁止されている為、ブラジル政府から渡航ビザの承認が下りないのである。
オリンピックの開催について、日本国内の世論の声やIOC(国際オリンピック委員会)の声明などを取り上げるブラジルメディアが増えてきた。
基本的には、ネガティブな発言の方が多い。
『オリンピックの開催はほぼ揺るがないだろう。だが開催は中止するべきだった。』
こう捉えているブラジルメディアは多い。
日本のメディアと違う点は、開催は中止するべきだったという過去形の声が多い事だ。
つまりは既に決定事項であり、開催は確定であるとの意見である。
今は話題が開催にあたっての感染対策や、開催に伴う感染拡大予想にシフトしていっている。
メディアはこの様な状態であるが、一方の選手からの批判的な意見は皆無である。
日本で話題に上がっていた、一部代表選手のオリンピック開催への懐疑的な声は上がっていない。
著者プロフィール
- 古庄亨
ブラジル・サンパウロ在住。日本・ブラジル・タイの3ヶ国で、2010年までフットサル選手としてプレー。2011年より5年間、都内スポーツマネージメント会社勤務。2016年ブラジルに渡り翌年現地にて起業。サッカーを中心にスポーツ・教育関連事業で活動中。
Webサイト: アレグリアスポーツアカデミー・サンパウロ
Twitter: @toru_furusho