マクロンも羨む日本の定年引き上げ、フランスで「70歳定年」とは絶対に言えない
もちろん、EUの国々においても、退職できる年齢は平均寿命とともに上がっているが、70歳あるいは80歳まで働く人の割合は低い。例えば、フランスにおいて70歳以上で働く人は8000人にすぎない。フランスの約2倍の人口を持つ日本では、厚生労働省によると、70歳以上の労働者は昨年6月時点で57万5000人だった。文化の違いがよく分かる。
働くと脳が活性化するので、高齢者にとって良い面はたくさんあるだろうが、良くない面もあると私は思う。個人的な意見だが、日本では若者が管理職に昇格するまでに時間がかかり過ぎる。これは、年齢とともに序列が上がる企業がいまだに多いから。若者のモチベーションに悪影響を及ぼす労働環境ではないかと思う。
もちろんベテランの経験を無視することはできないが、若者にもっとチャンスをあげるべきだ。また、IT技術や人工知能(AI)があふれる今の世界では、若者のほうが知識のある分野が増えるから、年功序列は時代錯誤だ。その点では、能力主義で比較的昇進しやすいフランスの労働環境のほうがいい。
日本の大企業のイノベーション力が落ちていることは間違いない。30年前や15年前に比べたら明らかだ。決定権を持つ経営者の高齢化が1つの原因だと思う。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。1999年からフリージャーナリスト、2004年からAFP通信東京特派員。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。
<本誌2020年2月11日号掲載>

アマゾンに飛びます
2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。
命を守る人が休めない社会でいいのか? 『レイトシフト』が映す過労の代償 2025.09.09
世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあるがなくさないでほしい 2025.08.31
イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは 2025.08.07
韓国スタートアップが日本へ続々進出... 官民挙げて商機を狙う背景は 2025.07.29
参政党の「日本人ファースト」は日本第一党の「日本第一主義」と同じに思える 2025.07.18
-
貿易事務/外資で経験を活かす!倉庫・物流管理/在宅週2OK/~650万 貿易事務・国際事務
ランスタッド株式会社
- 東京都
- 月給41万6,000円
- 正社員
-
外資系企業の総務/メール室メイン/未経験歓迎 月23万円~港区 20代・30代活躍中/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~25万円
- 正社員
-
東京駅/外資企業/受付/スーパーバイザー/語学活かせる 月30万~・土日祝休 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給30万円~36万円
- 正社員
-
経理/在宅あり/外資系アパレルで経理事務/年収~590万円 経理「経理事務」・英文経理
ランスタッド株式会社
- 東京都
- 月給27万5,000円
- 正社員