最新記事
インド

【モディ首相・独占インタビュー】「世界3位の経済大国になりたい」...インドはなぜ「自信満々」なのか?

“I AM ALWAYS IN THE MOMENT”

2024年5月22日(水)15時25分
ダニシュ・マンズール・バット(アジア地域編集ディレクター)

■中国と、日米豪印でつくる戦略的枠組みの「クアッド」について

アメリカ、オーストラリア、日本、インド、中国は多くの枠組みに加盟している。枠組みも組み合わせも多種多様で、クアッドはどこか敵国を想定したものではない。

上海協力機構(SCO)やBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)など多くの国際的枠組みと同様、志を同じくする国が共通の建設的課題に取り組んでいる。

インド太平洋地域はグローバルな貿易やイノベーションや成長を推進する。この地域の安全保障は地域だけでなく世界にとって重要だ。

温暖化対策、災害管理、戦略的技術、信頼できるサプライチェーン、健康安全保障、海上安全保障、テロ対策といった分野における共通の取り組みとインド太平洋地域における開発プロジェクトの実現によって、クアッドの4カ国はインド太平洋が自由で開かれたインクルーシブな地域であることを明示している。

■ジャム・カシミール州の特別自治権廃止に対する批判について

実際に現地を訪れて、劇的で前向きな変化が起きているのをその目で確かめるといい。私は今年3月にジャム・カシミールを訪れたばかりだ。住民は自分たちの暮らしに初めて新たな希望を抱いている。

住民は平和の配当を手にしている。昨年は2100万人余りの観光客がこの地域を訪れた。テロ事件も激減し、抗議デモや投石は過去のものとなった。

(ジャム・カシミール州に自治権を与えた)憲法370条の廃止後、F4レースやミスワールド、G20関連の会合など重要な国際イベントが相次いで開催され、デジタルエコノミーやイノベーションやスタートアップ、スマートソリューションが急速に広まっている。

■モディの肝煎りで建設されたヒンドゥー教寺院の重要性について

(ヒンドゥー教の)ラーマ神の名はインド国民の意識に刻み込まれている。彼の生涯がインド文明における思想と価値観の輪郭となり、彼の名は聖なるインドの隅々にまで響き渡っている。

私は特別な儀式が行われた11日間にラーマ神の足跡をたどる聖地巡りをし、インドの国民一人一人が心の中でラーマ神をあがめているのだと気付いた。ラーマ神の生誕地への帰還は国民にとって歴史的な団結の瞬間だった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中