衰える日本の自動車産業...日韓接近を促した「世界最大の自動車輸出大国」中国の電気自動車
The China Factor
このことは、日本および韓国とアメリカとの同盟関係を緊密にするだろう。アメリカは同盟国に新たな貿易機会を提供するような弾力的なサプライチェーンを整備する「フレンド・ショアリング」などの措置を推し進めており、中国の技術開発を封じるために、先進国の間でより広い戦線を築こうとしている。
中国との2国間関係の悪化は、経済競争が主に政治的な競争になる転換点や、主要産業の衰退が国力や国際的な影響力に重大な影響を及ぼす恐れがある場合について、新たな議論を喚起する。
日本、韓国、中国は、国際社会における技術開発、国力、主体性の関係について、他の地域と比べて似たような考えを共有している。それが高度に並列化され、相互に競争力のある経済の発展を促し、保護してきた。これは、主に歴史的、民族的、領土的な対立に起因すると考えられてきた地域の頻繁な緊張の根底にありながら、あまり論じられてこなかった要素かもしれない。
その意味で、これらの国々の敵対関係の影響は、さらに広がりそうだ。実際、EV分野の競争の激化に伴い、バッテリーや、その生産に必要なリチウムなどの重要鉱物が安全保障問題になる傾向が高まっている。
カナダは昨年11月、中国企業3社にカナダ国内のリチウム鉱山企業の株式を売却するように命じた。アメリカで昨年成立したインフレ抑制法はEVメーカーに対し、電池に含まれる重要鉱物の40%を友好国から調達することを求めている。
リチウムの大半を中国に輸出しているオーストラリアは特にこの法律の恩恵を受けるとみられ、日本と韓国で製造されるEV用バッテリーに使われるリチウムや水素などの重要鉱物への関心も高まっている。
オーストラリア政府は、自国の「重要鉱物が、信頼できる地域の友好国や同盟国の安全保障に果たす役割」を認識する必要性を強調している。彼らの貿易問題もまた、地政学的な配慮という厳しい現実と自由な世界貿易の原則が、ポスト・アメリカ中心主義の世界秩序の中でどのように共存を目指していくか、という答えを待っているのかもしれない。
From thediplomat.com
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