核爆発までの数秒間...家の中で絶対に避けるべき3カ所と、即座に駆け込むべき場所
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<頑丈な建物内で、爆発方向にある「壁の裏」に隠れることで爆風による危険を免れる可能性が高くなるという>
ロシアとウクライナの戦争が激化するなか、核爆発の脅威が高まっている。こうしたなか、キプロスの研究チームが爆発のシミュレーションを用いて、核攻撃の際に人々が取るべき「最善の避難行動」を発見。学術誌「Physics of Fluid(流体物理学)」に研究論文を発表した。
■【写真】どこなら避けられるか? 室内における爆風の流れシミュレーション画像
研究チームはこの中で、核爆発が起きた際の避難場所として「最も危険な3つの場所」を提示。生き残る可能性を高めるためには、これらの場所を避けるべきだとアドバイスした。
論文の筆頭著者であるニコシア大学のイオニアス・コキナキス博士はプレスリリースの中で、「屋内で最も危険な場所は、窓際と廊下、そしてドアの近くだ」と述べ、さらにこう続けた。「これらの場所に近づいてはならない。爆発が起きた方向に面した部屋でも、隅の(爆発方向の)壁の裏側にいれば、爆風から身を守ることができる可能性がある」
研究チームは最先端のコンピューターモデルを使い、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の核爆発が建物にどのような衝撃をもたらすのかを分析した。
それによれば、爆心地に近い地域では、一部の建物は破壊されるものの、コンクリート製の構造物ならば爆風に耐えられる可能性がある。だが頑丈な構造物の中にいても、大怪我のリスクがない訳ではないということだ。
また爆発の瞬間から爆風が到達するまでの時間は数秒しかないため、安全な避難場所を迅速に見つける必要がある。
鉄筋コンクリート製の建物でも安心はできない
論文の執筆者であるディミトリス・ドリカキスは英ニュース専門局の「スカイ・ニュース」に対して、「今回の研究が実施される前は、爆風に耐える鉄筋コンクリート製の建物の中にいる人々にどの程度の危険があるのか、はっきり分かっていなかった」と述べ、さらにこう続けた。
「我々の研究により、(鉄筋コンクリート製の建物の中にいても)猛スピードで吹きつける爆風はかなり危険で、大怪我や、場合によっては死につながる可能性があることが分かった」
研究結果によれば、頑丈な構造物の中に避難するだけでは怪我を防ぐには不十分だ。また、狭い空間は状況を悪化させる。爆風によって空気が壁に当たって跳ね返り、部屋の隅で曲がったりする可能性がある。場合によっては人間の体重の18倍もの力が発生するという。爆風の勢いで体が宙に浮く可能性も十分にあり、そうなれば怪我のリスクは高まる。