最新記事

ウクライナ

戦局を変えた13の出来事 写真と動画で振り返る、ウクライナ侵攻300日の攻防【保存版】

Ukraine War: 30 Moments That Shaped the First 300 Days

2022年12月21日(水)19時48分
デービッド・ブレナン

4月14日:巡洋艦モスクワの沈没

ロシアの黒海艦隊の旗艦である誘導ミサイル巡洋艦「モスクワ」が、ウクライナの対艦ミサイルによって撃沈された。ウクライナ政府にとっては宣伝効果の高い大勝利であり、ロシア政府にとっては大きな屈辱だった。第二次大戦以降、沈没したロシア艦船のなかで、モスクワは最大級の巡洋艦だった。その後、ロシアの艦船はウクライナ沿岸からの砲撃を避けるために黒海での活動を制限するようになり、南部の港湾都市オデーサに対する水陸両面からの侵攻の可能性はかなり減少した。7月に海北西部の小さな島、スネーク島を占領していたロシア軍が撤退したのも、ウクライナの攻撃を警戒してのことだった。

5月17日 アゾフスターリの降伏

ウクライナの港湾都市マリウポルは、2月24日の侵攻開始後まもなくロシア軍に包囲された。その時から、ウクライナの準軍事組織アゾフ連隊とウクライナ軍海兵隊は、同市の広大なアゾフスターリ製鉄所をロシア軍の攻撃から守ってきた。マリウポルの戦いは、生き残った守備部隊の降伏によって終結したが、街のほとんどが破壊され、数万人が殺害されたと考えられている。ロシア側と見える以下のツイートは、アゾフ連隊を「ネオナチ」と呼んでいる。

生存者は捕虜となり、一部は後に捕虜交換で解放されたが、ロシア軍に拘束されたままになった人もいる。2022年7月29日に、ウクライナのオレニフカ付近にあるロシア軍の捕虜収容所が爆発し、53人が死亡した。ロシアはウクライナの大砲による攻撃が原因だと非難し、ウクライナは、ロシアが囚人の処刑と拷問の証拠を隠蔽しようとしたものだとしている。

7月3日 リシチャンスク陥落

ロシア軍は7月上旬にウクライナ東部リシチャンスク市を占領した。この街はルハンスク州でウクライナ人が支配する最後の都市だった。ロシア軍はこの夏、東部ドンバス地域の支配を固めるために、圧倒的な砲撃で攻撃をしかけてきたが、リシチャンスク占領はその集大成となった。


9月8日 バラクリアの奇襲

9月初旬、ウクライナ軍はハルキウ州ハルキウ市周辺で奇襲による反撃を開始し、同州バラクリアでロシア軍の戦線を突破。敵陣の奥深くまで進入し、最終的に約500の集落と1万1660平方キロ以上の領土を解放することに成功した。その頃、ロシア軍司令官は南方戦線に集中し、ウクライナが宣言したヘルソン反攻に備えていた。ハルキウにおけるロシア軍の戦線は崩壊し、部隊は東に逃亡した。数日後、ロシア政府は自軍にハルキウ地方からの撤退を命じた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新たな米ロ首脳会談、「準備整えば早期開催」を期待=

ビジネス

米政権のコーヒー関税免除、国内輸入業者に恩恵もブラ

ワールド

クックFRB理事の弁護団、住宅ローン詐欺疑惑に反論

ビジネス

日経平均は続落で寄り付く、5万円割れ 米株安の流れ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中