最新記事

ウクライナ

戦局を変えた13の出来事 写真と動画で振り返る、ウクライナ侵攻300日の攻防【保存版】

Ukraine War: 30 Moments That Shaped the First 300 Days

2022年12月21日(水)19時48分
デービッド・ブレナン

ウクライナ侵攻301日目。ゼレンスキー大統領が電撃訪米。いつもの「戦闘服」姿だった Leah Millis-REUTERS

<ロシアによるウクライナ侵攻から12月20日で300日になった。これは世界を永遠に変えてしまった300日の記録だ>

ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに仕掛けた戦争は、ヨーロッパおよびその外の地域の政治、軍事、経済の地図を塗り替え、ヨーロッパ大陸を第二次大戦以来最も深い危機へと突き落とす歴史的な転換点になった。

300日の戦いのなかで、本誌は戦況を方向づけた注目すべき出来事を選んだ。

2月24日 侵攻開始「サンダーラン」作戦

ロシア軍の機甲部隊は「サンダーラン」と呼ばれる侵攻作戦を開始し、ベラルーシから南へ侵攻した。だがキーウ北部の湿地帯や森林で激しい抵抗に遭って動きがとれなくなり、キーウまでたどり着くことができなかった。

ロシア軍はヘリコプターでキーウ州ホストーメリ市のアントノフ空港を攻撃したが、キーウへの最終攻撃の足場にするつもりだった同飛行場の占領に失敗した。ロシア軍部隊は南部と東部で大きな成果を上げたが、このキーウ周辺での最初の失敗が北部で戦う部隊の運命を変え、4月にはベラルーシに後退するしかなかった。

4月3日:キーウ近郊の大量虐殺

ロシア軍が撤退した4月上旬、再びキーウ周辺地域に入ったウクライナ軍は、大規模かつ計算された残虐行為の証拠を発見した。証拠は多いが、ロシア政府はいまだに残虐行為を否定している。特にイルピンとブチャは、ロシアの暴力の代名詞となり、ウクライナ検察当局は戦争犯罪と大量虐殺に相当すると指摘した。

6週間の占領期間中、キーウ全域で1300人以上が殺害された。その大半はブチャで、いまだに犠牲者の墓が発見されている。同様の失踪、拷問、レイプ、殺人といった事例は、2022年を通じて解放された地域全体で発見されるだろう。

4月13日:アメリカ供与の大砲

バイデンは4月中旬、ウクライナに対してさらに8億ドルの軍事支援を承認した。この支援には、アメリカ製長距離榴弾砲M777の供与が含まれており、一部のウクライナ軍兵士は、これが後にドンバスでの戦争の行方を変えたと語っている。

供与が予定された90門のM777の大半は、5月までにウクライナに到着した。西側諸国の技術の粋を集めたM777の提供は、ウクライナ政府が砲兵支援を求める転機となり、他のNATO加盟国にも重砲の派遣を容認するシグナルとなった。

西側の大砲のおかげでウクライナは夏の砲撃戦を乗り切ることができた。その後すぐに「ゲームチェンジャー」といわれるM142高機動ロケット砲システム「ハイマース」が導入された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中