草の根技術協力が結実! ペルーのスーパーフードから生まれたサッポロビール「インカの扉」の秘密
サチャインチを広める願ってもないチャンスだと、按田さんは商品化への企画に乗り出します。ペルーでの体験を象徴する、サチャインチの搾りかす(インカインチプロテインパウダー)を入れることを提案。搾りかすと組み合わせる食材も探しました。
「ペルーの森の中は薬箱のようでした。たくさんの魅力的な植物と出会ったので、この商品にもそれを使ってみたいと思い、まずキャッツクローを採用しました。そして、サッポロビールの醸造家の方から提案されたのがアマランサス。実際にペルーでも食していたので、私の個人的ストーリーにも重なりました」
そうして出来上がった「HOPPIN' GARAGE インカの扉」は、「ハーブティーのようなスッキリとした味わい」。「ハーブティーのように、ティーカップや素焼きの茶碗など、器を変えて飲んでみることをおすすめします」と按田さん。
一方、NPOアルコイリスの大橋さんは、「発泡酒にサチャインチの搾りかすを使ったと聞いて、とても驚きました」と、按田さんの発想力に舌を巻きます。自身の事業については、「引き続き、搾りかすの粉砕工程を進化させ、より微粉末にすることで、利用用途をさらに広げていきたいです」と話します。
JICAの草の根技術協力事業でまいた種が、意外なところで実を結ぶこととなりました。今後また、同事業の取り組みが新たな実として現れるのも、そう遠い未来ではないはずです。