盗まれたミツバチ40万匹、飼い主の元に戻り始める
https://www.newsweek.com/stolen-beehive-bees-returning-home-cornwall-uk-1717528
養蜂家の飼い主は新しい巣箱を作って帰りを待っている(イメージ写真) Sushaaa-iStock.
イギリスの農村地帯で盗まれたおよそ40万匹のミツバチが、脱出して「家」に戻る途上にある。
このミツバチたちは6月11日夜、コーンウォール州にある邸宅ホテル「トレシリアン・ハウス)」から盗まれた。窃盗犯が盗んだ5つの巣箱には、それぞれ8万匹のミツバチが入っていた。
盗まれたミツバチたちは脱走して元いた場所を探し、「家」に徐々に姿を現し始めている。養蜂家たちは、到着するハチたちを新しい巣箱に戻している。養蜂助手のキャスリン・バーンズは、地元ニュースサイト「ファルマス・パケット」に対し、盗まれたミツバチたちは近くまで来ていると思うと話した。
「ミツバチたちが匂いをたどっているのなら、いずれみんな戻って来る。そう期待している」とバーンズは話した。「移動した距離が1マイル(約1.6キロ)未満なら、ミツバチたちは元いた場所に戻って来る」
すぐれた方向感覚
ミツバチは、きわめてすぐれた方向感覚を備えている。米粒ほどの大きさの脳しか持っていないにもかかわらず、餌を探しているときには、巣から離れる飛行の途中で得た断片的な情報を利用し、自分の移動した距離や移動速度を測定している。
ナビゲーションには太陽の位置を利用する。紫外線を見ることができるので、いついかなるときにも太陽の方角を知ることができる。さらに、短距離のナビゲーションを行う時には匂いも利用する。自分と女王バチの間にいるミツバチたちのフェロモンを嗅ぎとり、全体的な地図を作成しているのだ。
デボン・コーンウォール警察が発表した声明のなかで、スティーブ・アップルホワイト巡査部長は次のように述べた。「この犯罪では、個人の財産が盗まれただけではなく、私自身養蜂家として、盗まれたミツバチたちの健康状態が懸念される」
「一部のミツバチが、盗難前に巣箱があった場所に戻ってきたと聞いている。すると、盗まれた巣箱が持ち去られた場所もトレシリアン・ハウスからそう遠くなかった可能性がある」
トレシリアン・ハウスの養蜂家たちは、ミツバチが戻ってきたことに歓喜している。中心的な養蜂家ガイ・バーンズの妻キャスリンは、フェイスブックに投稿した文章のなかで次のように述べている。「(盗まれた日の前日に)点検したばかりで、成長ぶりを喜び、夏の収穫を楽しみにしていた。巣箱にいるのは8万匹のミツバチだけではない。養蜂に捧げられた献身、気配り、努力、そして責任も存在しているのだ」