最新記事

ロシア

【映像】兵士や戦車に扮して行進するロシアの幼い子供たち

2022年5月11日(水)15時40分
川口陽
赤軍の制服を着てパレードを眺める少年

赤軍(旧ソ連陸軍)の制服を着てパレードを眺める少年(5月9日) Tatiana Meel-REUTERS

<対独戦勝記念日に先立って行われた子供たちのパレード動画に非難殺到。段ボール製戦車に「Z」の文字も>

9日にモスクワで行われた戦勝記念日のパレードに先立ち、軍服に身を包んだ子供たちが戦車や戦闘機を模した格好で行進する動画がネット上で拡散されている。

ロシアは月曜、ナチス・ドイツに対する第二次世界大戦の勝利から77年目を迎えた。ウラジーミル・プーチン大統領がこの日の演説で宣戦布告することはなかったが、隣国侵略をヨーロッパのナチズムとの戦いの延長として正当化し、この戦争をウクライナを「非ナチ化」する「特別軍事作戦」と呼び続けた。

@RedLinkedInというツイッターアカウントによって土曜に公開された動画は、ロシアの子供たちがパレードする様子を映したものだった。この映像は(11日の時点で)約180万回再生されている。

幼い子供たちはソ連時代の軍の制服を着ている。先頭の男の子の段ボール製戦車には、ウクライナ侵攻でロシアの軍用車両のシンボルとなっている白い「Z」の文字が。「車両」にはロシアの国旗もはためいている。他にも戦闘機のコスプレをした女の子や、衛生兵に扮した子供たちも。教師と見られる数人の引率の女性も制服姿で子供たちとともに行進している。

映像を再投稿した英ガーディアン紙の記者ショーン・ウォーカーは、この光景を「児童虐待」と述べた。コメント欄には、ロシアによる子供たちの「教化」とウクライナ戦争の正当化を非難するユーザーの声が溢れている。一方、一部のユーザーからは、戦勝記念日のパレードは毎年ロシアで行われている重要な行事の一つであり、それに参加することを「児童虐待」と呼ぶのは極端だという反論もあった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中