最新記事

スターリンク

ウクライナでスターリンク衛星通信を15万人が利用 年初時点の世界契約数超える

2022年5月9日(月)17時00分
青葉やまと

ウクライナでスターリンクの利用者が急増している...... Mykhailo Fedorov-Twitter

<ウクライナで1日の利用者が15万人に到達。1月時点での世界契約数14万5000件を上回った>

ウクライナであくまで非常用の通信手段と思われてきたスターリンク衛星通信だが、利用者が急増している。

フョードロフ副首相はツイートを通じ、1日あたりのアクティブユーザーが約15万人に達していると明かした。アクティブユーザーとは、ある期間(この場合は1日あたり)に実際に通信を利用した人の数を指す。

副首相はツイートで「スターリンク利用状況のデータ概要:アクティブユーザーは1日あたり約15万人。これはウクライナのインフラにとって、そして破壊された領土を復興するうえで、決定的に重大な支えです。何が起きようとも、ウクライナがネット上から分断されることはありません」と述べた。

ロシアによる侵攻当時、ウクライナはスターリンクのサービス範囲外であった。フョードロフ副首相は2月下旬、サイバー攻撃と通信網の物理的な寸断を受け、運営元のスペースX社を率いるイーロン・マスク氏に対するツイートで応援を要請した。マスク氏がこれに応じ、わずか10時間半後に同地でのサービスを開始した。

当初は軍や病院などを中心に、あくまで応急的な通信手段として導入が進んだ。現在では利用者が15万人にまで膨らんでおり、多数のウクライナ市民の生活インフラとして活用されていることが浮き彫りとなった。

1月時点の世界契約数を超える

かなり大雑把な比較とはなるが、15万という利用者数を単純に数字として捉えると、1月時点での世界での契約数を超える規模となる。米CNBCは1月6日、スターリンクが世界25ヶ国でサービスを展開しており、その合計ユーザー数は「14万5000以上」になると報じていた。

これは、スペースX社エンジニアのジェシー・アンダーソン氏がウェブ番組のなかで述べた、「世界25ヶ国に14万5000人以上のユーザー」との発言を受けての報道だ。ここでのユーザー数は、契約数を示すとみられる。

すなわちウクライナでは、2月27日のサービス開始からわずか2ヶ月強で急速に利用が拡大し、年初時点での世界的合計の契約数に相当するアクティブユーザーを抱えるに至ったことになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ヘッジファンド、銀行株売り 消費財に買い集まる=ゴ

ワールド

訂正-スペインで猛暑による死者1180人、昨年の1

ワールド

米金利1%以下に引き下げるべき、トランプ氏 ほぼ連

ワールド

トランプ氏、通商交渉に前向き姿勢 「 EU当局者が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中