【順位予想】北京五輪フィギュア団体、日本はカナダと銅争い メダル獲得のポイントは「アイスダンス」
そこで重要になるのが、①交代権を使うか、②男子個人戦が団体決勝2日後という事情、③選手のコンディション(怪我の状況)、④アイスダンスの順位、⑤決勝に進む5枠目の国はどこか、です。
①の交代権とは、複数の候補選手がいる種目では、各チームは最大2種目まで予選と決勝で選手を交代できる権利です。たとえば、日本チームには男子と女子の代表選手が3人ずつ、ペアとアイスダンスは1組ずついるので、男子と女子で交代権を使うことができます。決勝進出チームは、予選のポイント次第で「交代権を使わずに、予選、決勝ともエースを使う」「メダルの見込みが薄くなったので、個人戦に集中させるために決勝ではエースを使わない」などの駆け引きをします。
団体戦の展望を、②から⑤の説明を織り交ぜながら予想しましょう。
精密なメダル予想を行うために、出場10カ国・地域の全選手の21-22年シーズンベストを書き出し、その選手が出場した場合の想定順位と獲得ポイントを計算しました。なお、羽生結弦選手とチェコのペア選手は、今季はシーズンベストが認められる大会には出場していないので、20-21年のものを使いました。団体の順位予想では、全ての選手がシーズンベストに近い点を取ると仮定します。(記事の最後に表を掲載)
予選の展望
予選は、1種目で得られるポイントが1ポイントから10ポイントまでと格差が大きく、演技の失敗があると一気に獲得ポイントが下がるため、エース、あるいは最も安定している選手が選ばれる傾向があります。日本男子は全員、個人戦でメダル候補になる実力があるため、疲労を避けるために交代権を使うと考えられています。ショートプログラムで最も確実に高得点を取れそうなのは羽生選手ですが、羽生選手と宇野昌磨選手は怪我が治ったばかりです。女子は、予選と決勝で坂本花織選手と樋口新葉選手が交代するか、坂本選手が予選・決勝とも出場すると予想されています。
日本にとって最良の展開は、男子がアメリカに勝って1位、女子がロシアに続き2位、ペアがロシア、中国に続き3位、アイスダンスが同程度の実力を持つドイツとジョージアに勝って8位になることです。同時にカナダにとって最悪の展開が起きると、男子、女子、ペアで同程度の選手たちに競り負けて、それぞれ7位、5位、5位。得意のアイスダンスでは、怪我の影響が心配されるロシアの世界チャンピオンが登場し、実力が均衡するアメリカにも後塵を拝し3位になります。
この場合、予選は1位ロシア(38点)、2位アメリカ(33点)、3位日本(30点)、4位カナダ(24点)、5位中国(20点)になります。