「人魚の財布」からトラフザメが出てくる瞬間
卵の中から姿を現すトラフザメ @sanantonio_aquarium/TikTok
<個体数が減少傾向にあるトラフザメだが、飼育下での繁殖に手応えも>
「人魚の財布」と呼ばれる奇妙な物体を撮影した動画が、TikTok上で(11月15日時点で)610万以上の「いいね!」を獲得している。
この映像は米テキサス州のサンアントニオ水族館で撮影された。飼育担当者がハサミでそれを切り開くと、中からトラフザメの赤ちゃんが出てきた。
不思議な物体は、トラフザメの卵だったのだ。
@sanantonio_aquarium Did you know that some species of sharks can lay eggs?! #shark #animals #aquarium #facts #PUBGMOBILE ♬ Easy On Me - Adele
トラフザメは絶滅危惧種に指定され、個体数は減少傾向にある。太平洋とインド洋を生息地とし、砂地や岩礁、サンゴ礁を好む。夜行性で、主食は軟体動物や甲殻類、それに小さな硬骨魚類など。最大約2.4メートルほどに成長し、寿命は25年から30年。幼魚には黒と白の縞模様、成魚には斑点があるため、長い間別の種と誤解されてきた。
食用として珍重され、東南アジア諸国や中国で漁獲・販売されており、人間による脅威に晒された種でもある。
飼育下で繁殖成功
フロリダ自然史博物館によると、幸いなことにトラフザメは環境への適応能力が高く、飼育下での繁殖は大きな成功を収めているという。
サメの生殖は種によって異なる。哺乳類のように子ザメを産む種もあるが、トラフザメの場合は一度に4個の卵を産む。孵化するまでの6ヶ月半の間、卵は海底に固定される。
飼育員は映像の中で、トラフザメの孵化を補助する意義について次のように語っている。
「サメの卵は30%しか孵化しないため、時にはちょっとした助けが必要になる」