謎の失踪から3年、孟宏偉ICPO前総裁の妻が「中国政府は怪物」と痛烈批判
Wife of Missing Chinese Official Calls Government a 'Monster'
中国共産党は2019年、孟の党籍を剥奪したと発表した。その際、孟は職権を乱用し、家族に「ぜいたくな暮らし」を送らせ、妻が個人的な利益のために夫の権限を使うことを認めたと説明した。2020年1月には裁判所が、孟は200万ドル以上の賄賂を受け取った罪で、13年6カ月の実刑を言い渡されたと発表した。本人も罪を認め、後悔の念を表したとされた。
グレースは、すべての申し立てがでっち上げだと考えている。夫が公職を追われ、失踪することになったのは、夫が自身の高い地位を使って、変革を推し進めようとしたためだと考えているのだ。
「私はすでに、これ以上ないほどの悲しみに包まれている。もちろん、子供たちにとっても、同じくらい残酷な出来事だ」と、グレースは語る。また彼女は、政府を「怪物」と呼んだ。「彼らは自分の子供たちを食い殺す」
中国名は使わなくなった
中国に批判的な人々は世界中に存在し、その多くが、2022年に北京で開催される冬季五輪に反対している。グレースもその一人だ。彼女は、関係者として内側の世界にいたが、今は元関係者として外側から見ている。
あまりに重大な変化が起きたため、グレースは自身の中国名ガオ・ジェ(Gao Ge)をほとんど使わなくなった。自分で選んだグレースと、夫の姓であるメンの方が自分らしいと考えている。「私は、一度死んで生まれ変わった」と、彼女は語る。
グレースの生家も、中国政府とつながりがある。母親が、全国人民代表大会の諮問機関で働いていたのだ。そして、生家の人々も政治的なトラウマを経験している。1949年に共産党政権が成立した後、グレースの祖父は事業資産を剥奪され、強制労働収容所に送られたという。
歴史は繰り返す、とグレースは言う。現在の自身の状況は「もちろん、私たちの家族にとって大きな悲劇であり、大きな苦しみの源だ」という。「しかし現在の中国では、非常に多くの家族が、私と同じような運命に直面していることを私は知っている」
(翻訳:ガリレオ)