最新記事

BOOKS

神は6日で世界を造ったとの「真実」を理解する意味...理不尽な世界に対峙する「神学」の力

2021年9月2日(木)12時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
子供と地球

Choreograph-iStock

<「なぜ」と問う力──リベラルアーツの本質はICUの神学から学ぶ。話題の本『ICU式「神学的」人生講義 この理不尽な世界で「なぜ」と問う』の一部を抜粋紹介>

国際基督教大学(ICU)で必須教養科目の「キリスト教概論」を担当する魯 恩碩(ロ・ウンソク)教授によると、ICUのリベラルアーツ教育とは、「なぜ」の精神を持つ学生を育てることであり、そこに「キリスト教概論」の存在意義があるという。なぜか。

キリスト教になじみのない者は、信仰とは、神を賛美することと思うかもしれない。しかし、聖書を読むと、多くの場合、信仰は神に対する怒りからはじまる。創世記18章のアブラハムも、エレミヤ書20章のエレミヤも、詩編73編の詩人も、賛美する前に、神に「なぜ」と問うた。彼らは「なぜ」と問う勇気を持つ人間だった。

彼らの怒りを理解しようとし、自分もまた、「なぜ」と問う力を身につけることは、不条理で理不尽なこの世界に対峙する力を手に入れることだからだ。

「キリスト教概論」を書籍化した『ICU式「神学的」人生講義 この理不尽な世界で「なぜ」と問う』(CCCメディアハウス)より、一部を抜粋紹介する連載の最終回。『第三講 「この世界のいま」「私たちのいま」はなぜあるのか?:旧約聖書の創造信仰』より、聖書を読むときの世界の切り取りかた「事実と真実の違い」について紹介する。

第1回:自らの至らなさを自覚できるからこそ人間は偉大...現代世界の思想的土台を「神学」に学ぶ

第2回:1人の子供がいじめられ続けることで、全体の幸せが保たれる社会...「神学」から考える人権

■この世界のはじまり――創世記を読む

教授: 旧約聖書には、歴史、法律、預言、小説、詩、エッセイ、手紙など、いろんなジャンルの書物が集められています。そして、この書物の究極的な特徴は、信仰の書であるということです。聖書のいちばんの本質ですね。

では、みんなで旧約聖書の創世記1章を読んでみたいと思います。この授業での聖書の引用は、基本的に新共同訳(聖書の日本語訳の一つで、「新共同訳聖書」は日本聖書協会から出版されている)を使うことにします。

創世記1章は、実は1章で終わりません。2章3節までの記述によって、ようやく神による世界創造が完了します。というわけで、創世記2章3節までを読んでみることにしましょう。(略)

 著者:魯 恩碩
 出版社:CCCメディアハウス
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国全人代、民族団結法可決 中華民族帰属意識を促進

ワールド

ホルムズ海峡で船舶攻撃相次ぐ、米軍は護衛要請に応じ

ビジネス

ホンダが初の通期赤字転落へ、最大6900億円 EV

ビジネス

今年の独成長率、エネ高騰持続なら0.6% IFO予
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 9
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中